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海外テニス

ジョコビッチ独走の流れがコロナ中断を挟んで急変。全米初Vのティームがビッグ3を脅かす存在に【2020男子ツアー回顧】

内田暁

2020.12.28

ツアー再開後の全米で、ティームは悲願のグランドスラム初制覇を成し遂げ、大の字になって歓喜した。(C)Getty Images

ツアー再開後の全米で、ティームは悲願のグランドスラム初制覇を成し遂げ、大の字になって歓喜した。(C)Getty Images

 最も優勝に肉薄しながらも、僅かに届かなかった悲願の銀杯。それでも表彰式でティームは、「あなたたち3人(ジョコビッチ、ナダル、ロジャー・フェデラー)が、テニスを新たなレベルに引き上げた。この時代に自分が戦えていることを、誇りと光栄に思っています」と、さらなる成長を自身に誓った。

 なおこの後も、ジョコビッチはドバイオープンで優勝。年が改まってから負け知らずのまま、コロナ禍による3月のツアー中断期を迎えた。

 5月間の停止を経てテニス界が動き出した時、そこにあるのは、少しばかり様変わりした景色の中で、変わらず続くジョコビッチの支配だった。

 ナダルは全米オープンを含む北米シリーズは欠場し、フェデラーはヒザにメスを入れ、早々に今季の終了を表明する。それら“BIG3”のうち2人を欠くなか、ジョコビッチはカナダ・マスターズでも優勝。連勝を23にまで伸ばし、全米オープンを迎えた。
 
 そのジョコビッチの独走を止めたのは、あまりに意外な存在であることは、まだ人々の記憶に新しいだろう。4回戦のパブロ・カレノブスタ戦で、ジョコビッチが苛立ち紛れに後方に放ったボールが線審を直撃。この行為によりジョコビッチは、大会規定に則り失格に処されたのだ。

 かくして第1シードが姿を消し、実に6年ぶりにBIG3以外がグランドスラムを制することが確実になるなか、決勝に勝ち上がったのは第2シードのティーム。そして反対側のドローを踏破したのが、23歳のアレクサンダー・ズベレフ。彼もまた、20歳にしてジョコビッチやフェデラーを破りマスターズ優勝を成すなど、BIG3の厚い壁に穴をうがってきた、世代交代の尖兵である。
 

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