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海外テニス

【レジェンドの素顔4】マッケンローのスーパースターとしての素質は身体にある|後編〈SMASH〉

立原修造

2021.02.13

マッケンローの成功はタフさにあり、彼自身も誇りに思っていたようだ。写真:THE DIGEST写真部

マッケンローの成功はタフさにあり、彼自身も誇りに思っていたようだ。写真:THE DIGEST写真部

筋肉隆々のマッケンロー

 その年の末にも、マッケンローは凄まじい試合をしている。デビスカップ決勝の対フランス戦で、ヤニック・ノアを相手に、4時間18分にわたる死闘を演じているのだ。ここでもマッケンローは、ファイナルセット6ー2と、ノアを突き離して勝っている。

 マッケンローが体力を見せつけた試合は、他にいくらでもある。この点に関しては、レンドルも脱帽だろう。たとえば、1984年のUSオープン決勝を思い出してみよう。

 この時はマッケンローとレンドルの対戦だった。マッケンローは不利な材料を抱えていた。前日の準決勝、対コナーズ戦が4時間近い大接戦となり、終わったのは深夜。それから半日しか経っていないのに、もえ決勝戦を迎えていたのだ。疲労がマッケンローの身体に色濃く残り、明らかに不利だろうと誰もが思った。

 ところが、それはまったくの杞憂に終わった。マッケンローのプレーはいつにも増してエネルギッシュだった。6-3、6-4、6-1。一方的にやられたのはレンドルの方だ。

「今日ほど自分の身体に自信を持ったことはないね」
 マッケンローは誇らしげにそう言った。"ミスター・タフネス"という称号を与えたいほど彼の体力は充実していた。
 
 あれから、まだ2年しか経っていない。年齢もまだ27歳だ。一部には、マッケンローの身体はもうへばり切って、使い古したタイヤのようだという声もある。

 前年出場したトーナメントが18。さらにその倍近いエキジビションをこなしている。単純に計算しても、週に一度はどこかの大会に出ていることになる。こんなオーバーワークのツケが、ここにきて一気にまわってきた。
 

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