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国内テニス

プロ3年目、20歳の野口莉央が初の全日本王者に。3種目決勝の清水悠太は力尽きる

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2019.11.03

左から男子複優勝の今井/仁木、女子複優勝の米原/森崎。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

左から男子複優勝の今井/仁木、女子複優勝の米原/森崎。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 2016年のインターハイを制し、翌年プロに転向した野口。しかし決して最初から結果を出せたわけではない。1年目はフューチャーズでも予選や早いラウンドでの負けが続き、ATP1065位で終わった。

 それでも、当時から今まで積極的にヨーロッパのクレーコートを転戦したことが、野口にとって糧になった。特にキーとなったのはそのサーフェスだ。

「クレーでプレーすると、一定のテンポでは相手を崩せない。ドロップショットや前へ入る動きなど、色々と戦術の幅が広がる」

 そこで培った組み立てが、パワー一辺倒ではない、コートを広く使った野口のテニスを構築し、その後の成長にもつながったのだろう。野口は2年目にフューチャーズで2勝を挙げ、3年目に全日本の頂点に立った。

「優勝は素直にうれしい」と野口。ただ「3年目でグランドスラム予選にかかりたいと思っていたので、今のATPの位置(398位)は順調とは思っていない」とも語る。全日本をステップに、次は世界での飛躍を期す。

 一方、敗れた清水は野口より1学年下の20歳。この決勝では本来のプレーはできなかったが、その才能は誰もが認めるところだ。負けたことよりも、「ここまで来たのに身体の状態が良くなくて、今までのプレーができなかったのが悔しい」と、表彰式では涙を流した。この経験が彼を一回り大きく成長させることを願いたい。
◆女子ダブルス決勝の結果
森崎可南子/米原実令(橋本総業HD/明治安田生命)[2]
[6-4 6-4]
加治遥/波形純理(島津製作所/伊予銀行)[1]

・森崎可南子のコメント
「3種目で残って、身体はきつかったけど、調子は悪くなかったので、全て楽しんでプレーできた。ペアを組んで5年目。ミスしても実令さんが何とかしてくれるだろうと、本当に信頼しかない」

・米原実令のコメント
「決勝は2人でしっかり作戦を立て、最善の準備で臨んで勝てた。自分で自分に合格点をあげたい。(2年前の優勝に比べ)より頭を使うようになり、細かく話し合うようになった」

◆男子ダブルス決勝の結果
仁木拓人/今井慎太郎(三菱電機/イカイ)[1]
[7-6(3) 7-6(9)]
清水悠太/羽澤慎治(三菱電機/慶應義塾大学)[2]

・仁木拓人のコメント
「連覇は考えないようにしたが、頭の片隅にあって、ホッとした気持ち。年を重ねるごとに全日本のタイトルの重みが増してきており、タイトルが見えてくる週末になると緊張が出てくる」

・今井慎太郎のコメント
「春ごろからこのペアで組んでいなくて、どうなるか不安があったが、初戦からいい形で入れて、そのまま優勝につながった。(序盤戦が悪かった)去年とは違ったうれしさがある」

取材・文● 渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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