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レッスン

【テニスギア講座】ラケットの「ストリングパターン」をもっと気にしよう! 打球性能との密接な関係に迫る<SMASH>

松尾高司

2022.11.26

ラケットの個性を決めるのはフレーム自体の機能の他に、ストリングパターンによる性能差も大きい。各部の目の細かさ、全体的な配置など様々な工夫がなされている。写真:松尾高司

ラケットの個性を決めるのはフレーム自体の機能の他に、ストリングパターンによる性能差も大きい。各部の目の細かさ、全体的な配置など様々な工夫がなされている。写真:松尾高司

 こう定められていますが、条文の中の「およそ」がポイントで、多少のアレンジは認められているということです。

 昔のウッドラケットなどは、まさに「均一」を忠実に守っていましたが、カーボン化されてからはある工夫がなされるようになりました。かつてラケットの開発・販売をしていたヤマハが流行させた「センターフォーカス」は、ストリング面の中央部が「密」で、周辺ほど「疎」になるというものです。

 そもそもストリング面の中央部は高い反発性を発揮しますが、それに比べて周辺は反発性が低くなります。そこで、周辺のパターンを「疎」にすることで、中央部の反発性能に近付け、それを結果的に「スイートエリアが広い!」と謳ったのです。

 これがルール違反ではないと判断されたため、他社もこのパターンを取り入れて、現在でも広く利用されています。
 
 ストリングパターンについてはルール的に意外と緩いわけですが、明言されている違反パターンが「……中央部において他の部分より密度が薄くてはいけない」です。つまり先に挙げた「センターが密:周辺が疎」とは逆のパターンです。

 その理由については記されていませんし、実際に試したこともないのですが、おそらく「予想がつかない飛び」を生み出してしまうからではないでしょうか? 相手には普通に打っているように見えても、ボールを面のセンターで打てばものすごく飛び、ちょっとズラせば極端に飛ばない状況を演出することができるため、トリッキーな打球となるからではないでしょうか。

 まぁこんな張り方をすれば、ストリングはすぐに切れてしまい、打つ本人だってかなりの熟練者でなければ使いこなすことはできないでしょうけどね。

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2021年2月号より抜粋・再編集

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