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世界へ出るための活動支援金を懸けた「Yoshi's Cup」。主催者・西岡良仁の想いはジュニアたちにどう響いたか?<SMASH>

内田暁

2022.12.17

ジュニアたちは西岡の話に真剣に聞き入り、自分の身に重ねて具体的な質問をしていた。試合以上に貴重な経験となったはずだ。写真:Yoshi's Cup/長浜功明

ジュニアたちは西岡の話に真剣に聞き入り、自分の身に重ねて具体的な質問をしていた。試合以上に貴重な経験となったはずだ。写真:Yoshi's Cup/長浜功明

 西岡の言葉がいかに選手たちに響いたかは、彼らから向けられた質問に反映される。「フューチャーズやチャレンジャーと、ATPツアーで戦っている選手たちの違いは何か?」。その問いに西岡は、「集中力」だと即答する。

「上の選手になるほど、練習時間は短いが内容が濃い。下の選手ほど、時間は長いが漫然として成長がない」

 練習の意義は何か? なんのために、どのような目的でボールを打つのか? 対戦相手を想定できているか? 自分が抱える課題と練習内容は合致しているか? そのような「正しい集中力のベクトル」こそが、成長の源泉だと説いた。

 さらに選手からは、「アメリカの大学に進学してからプロになるのでは、遅いですか?」という、具体的で切実な問いも飛び出す。

 それに対し西岡は、「そんなことは全然ない」と応じた。「キャメロン・ノーリーという選手は、ジュニアの時は強くなかったけれど、大学に行ってめっちゃ伸びた」
 
 自身と同期の世界14位を引き合いに出した上で、西岡はこうも続ける。「アメリカの大学は、色んな国から色んなタイプの選手が集まる。成長する要素が、アメリカの大学には揃っている」

 この質問をした前田透空(まえだ・とあ)は、相生学院高校の1年生。これまで「将来についてあやふや」で、「アメリカの大学に行った先輩の話も聞いていたが、それではプロになるには遅いかと思っていた」という。

 ただ今回、「西岡さんの話を聞いて、それ(アメリカの大学進学)もありかと思えた」と言った。視界を覆うモヤが一つ晴れたことは、将来の見通しをクリアにする。未来が不鮮明なジュニアにとっては、それ事態が大きな意味を持つはずだ。

 世界の最前線で戦う西岡の言葉は、8名の参戦選手各々の胸に深く響いただろう。その想いを、コート上でいかに表現できるか? 未来をつかむための戦いが火ぶたを切っている。

取材・文●内田暁

【PHOTO】西岡良仁主催「第2回Yoshi's CUP」熱戦を繰り広げるジュニアたちのスナップ集
 

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