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海外テニス

綿貫陽介が自身初の全豪オープン予選突破!悲願達成を後押ししたのは「人間的な成長」<SMASH>

内田暁

2023.01.13

悲願のグランドスラム本戦出場を決めて兄でコーチの敬介のもとに駆け寄る陽介。2人にとっての新たなステージでの戦いが始まる。写真:内田暁

悲願のグランドスラム本戦出場を決めて兄でコーチの敬介のもとに駆け寄る陽介。2人にとっての新たなステージでの戦いが始まる。写真:内田暁

 それまでは「身体を大きくすることで、感覚が変わったり動きが落ちるのではと思っていた」と明かす。だがツアーを転戦するなかで、海外勢とのパワーの差を痛感する機会が増えた。ケガが多かったことも、フィジカル強化を志した理由の一つ。

「感覚が変わるとか、そんなことを心配する以前の段階だったんです」。

 今になり綿貫は、数年前の自分を恥ずかしそうに振り返る。果たしてトレーナーの長田光生が帯同して以来、綿貫は自らの変化を感じることができたと言った。

「トレーニングで上げられるウェイトが増えたし、そうすると自信にもなります。実際に試合でも、打ち負けることもなくなりました」

 そう語る彼の身体は、確かに目に見えて一回りも二回りも大きくなった。そのフィジカルの成長を促したのは、内面の成長でもあるだろう。

 変化への恐れを打破し、自ら次のステージへの一歩を踏み出した。人々の助力への謝意は、いかなる状況でも諦めずにボールを追い、スコアを忘れるほどに目の前のポイントに没頭する姿に現れる。
 
 その姿勢が報われたのが、2本のマッチポイントを凌ぎ逆転勝ちした、今大会の予選2回戦。薄氷を踏む勝利の末に立った予選決勝のコートでは、心技体噛み合うプレーで、世界104位のフアン・パブロ・バリージャス(ペルー)を6-3、6-4で圧倒した。

「うれしいというか……本当に良かったな」

 それが試合直後の、綿貫の率直な言葉だった。

 ただ次の瞬間には、「少しでも長くこの場所にいたい」と、表情を引き締める。

 初めて立つグランドスラム本戦の舞台は、ゴールではなくスタートライン。

 心身ともに成長した姿を、世界に示しにいく。

現地取材・文●内田暁

【画像】若手の星・綿貫陽介のサービス、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
 

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