第２セットは第１ゲームでいきなりブレークを奪ったボンドルソワだったが、第２、第４ゲームではジャバーがリターンから積極的に攻めてきたことで防戦を強いられ立て続けにブレークを献上。それでもボンドルソワは冷静に、１本でも多くボールを返すことに徹して流れを手繰り寄せていく。

　次第にジャバーが打ち急ぎのミスを量産するようになり、ボンドルソワが主導権を握って計３度のブレークを取得。１時間20分で価値ある優勝を手にした。

　ウインブルドンでノーシードの選手が頂点に立つという大会史上初（オープン化以降）の快挙を成し遂げたボンドルソワ。試合後の表彰式では昨季の苦しかった時期を振り返りつつ以下のように喜びをあらわにした。
  「今何が起こっているのかわからない。（ケガで苦しんでいた）去年の今頃はこんなことは全く想像できなかった。テニスは本当にクレイジーなスポーツね。

　もちろんここまでの道のりは簡単ではなかった。とにかくテニスを続けて再び高いレベルに戻りたいと頑張って努力を重ねてきた。陣営席にいるみんな、ありがとう。皆のおかげです」

　初のグランドスラム優勝を聖地ウインブルドンで手にしたことは、ボンドルソワにとって忘れられない瞬間となっただろう。まだまだキャリアが長く続くであろう彼女には、今後のさらなる飛躍を期待したい。

文●中村光佑

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