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レッスン

【テニスギア講座】テニスウェアは普通のシャツと何が違う? 快適なプレーをサポートする特有の機能に迫る<SMASH>

松尾高司

2023.10.14

テニス専門店でも、テニスウェアを自由に選べるほど大量に品揃えする店は少なくなった。大型店では数多くのブランドが揃い、ウェア選びを楽しめる。写真:松尾高司

テニス専門店でも、テニスウェアを自由に選べるほど大量に品揃えする店は少なくなった。大型店では数多くのブランドが揃い、ウェア選びを楽しめる。写真:松尾高司

 でも「同じ」ではないことをちゃんと知ってください。夏場の「吸汗速乾」「クール」の他に、冬場の「ヒート」、「ストレッチ」、「UVカット」など、どんどん積み重ねられていき、オンコートプレーを快適にサポートする機能が累積的に進化中なのです。

 テニスウェア特有の素材機能に「ストレッチ」がありますが、これは激しく身体を動かすプレーでも、できるだけストレスを感じさせないための機能です。

 そうした考えはストレッチ以前にもあり、ウェアを縫製するにあたり、テニス特有の動きに対してストレスを与えない特殊な「4次元カット」が開発されます。裁断の仕方を工夫し、動きに対して引きつれないという、先進的なカッティング技術です。非常に進んだ知的技術でしたが、ストレッチ素材が登場してからは、あまり謳われなくなり、業界はストレッチ性と軽さとの共存へ向かいます。

 それでもサービスやスマッシュなど、腕を高角度で振る場合に「動かしやすい設計」をするブランドもあります。ヨネックスのウェアの競技者向けモデルでは、ストレッチ素材を使った上、さらに肩周りが自在になる機能デザインも取り入れています。
 
 そして、女性プレーヤーには「どうしてもテニスウェアじゃなきゃダメ」と感じさせる機能があります。最近の女性用スコートには「インナースパッツ付き」というものが多く、そのスパッツには「ボールポケット」というボール収納機能が付いています。テニスウェア以外の普通のスパッツには、そんな便利な機能はないため、テニスウェアとしての大きなアピール点となっているのは事実です。

 かつてテニスウェアはスキーウェアと並んで「特別な時に着るウェア」でした。テニスをすることがトレンドであり、ちょっと特別な気分になれる魔法のコスチューム。

 時代は変わりましたが、レディスモデルには「普通よりもちょっと上質な雰囲気」の提案もちらほら見えています。「本気モード」をブランドイメージに掲げるダンロップからは、ユルフワの「ビッグシルエット」が注目を集め、プリンスでは、この数年「シックで大人っぽいカジュアルウェア」のようなウェアやワンピースが話題を集め、特別なウェア感を醸し出しています。

 各ブランドが「個性」を求めて進んでいるテニスウェアに再注目してください!

文●松尾高司(KAI project)
※『スマッシュ』2021年12月号より抜粋・再編集

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