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海外テニス

「人気獲得に大切なのは、まずは革新を恐れぬこと」サッカー、NBA、テニス…グローバルスポーツに進出する楽天の野望とは?

内田暁

2019.12.24

「スポーツはパートナーシップという形を取るのに適している」と語る、楽天のラフール・カダバコル氏。写真:内田暁

「スポーツはパートナーシップという形を取るのに適している」と語る、楽天のラフール・カダバコル氏。写真:内田暁

――楽天はサッカー、バスケットボール、テニスなど複数競技と提携しています。競技ごとに、どのような異なるターゲットや可能性を見いだしていますか?

「まずフットボール(サッカー)は、最もグローバルな競技です。ですので、全世界的に展開できるという点においては、フットボール以上のスポーツはないでしょう。

 バスケットボールはアメリカで非常に人気があり、一部のヨーロッパや、近年は中国でも急速に人気が高まっています。NBAはマーケット拡張にも意欲的で、今年は日本で久々にプレシーズンマッチをやりました。インドでも初めて行なったんですよ。

 テニスの場合は、ほぼ毎日のように試合が行なわれているのが、非常にユニークな点ですね。スタジアムの集客数ではフットボールに敵いませんが、テレビやインターネットでの中継も多く、フォローしている人という意味ではかなり多いでしょう。さらにデビスカップは、個人競技のテニスに、国際試合の視点を入れたのが興味深いところ。個人競技では見られない歓喜や涙も見られ、新たな可能性があると思います」
 
――最後に、ちょっと変わった質問をします。楽天はテニスのジャパンオープンのスポンサーでもありますが、もしあなたが日本でのテニス普及を任されたら、何をしますか?

「テニスの人気上昇は世界的に起きていることですし、日本には錦織圭と大坂なおみという、子どもたちが憧れるスターがいる。ポテンシャルは非常に大きいと思います。

 人気獲得に大切なのは、まずは革新を恐れぬことでしょう。例えばバスケットボールでは、3オン3がオリンピック競技になります。クリケットも最近、初めてナイトセッションを行ない、夜でもボールが見やすいようにと、ピンクボールを導入しました。このようにどのスポーツも変化していく中で、大切なのは“モニタリング”、そしていろいろな分野と正しいパートナーシップを結んでいくことでしょう。

 もし私が日本のテニス人気上昇を担当するなら、まずはコートの使用状況などをモニターします。日本にもテニスコートはたくさんあるでしょうが、大切なのは、そこで誰がプレーしているか、どの地域でどれくらい稼働しているか、そして年齢や男女比などを広く正しく把握すること。そのためには、テクノロジーが活用されるべきです。大切なのは、色々な分野と正しいパートナーシップを結んでいくこと。それが、スポーツとビジネスの両方が発展していく道でしょう」

取材・文●内田暁
 

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