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海外テニス

王者ナダルと互角の勝負を演じた24歳、西岡良仁が得た世界トップの「イメージ」と全豪の焦点

内田暁

2020.01.19

ATPカップでのナダル戦の敗北を西岡はすごく悔しがっている。(C)Getty Images

ATPカップでのナダル戦の敗北を西岡はすごく悔しがっている。(C)Getty Images

 そして迎えた、現世界1位のラファエル・ナダル戦――。西岡はナダルと互角以上の打ち合いを展開し、第1セットでは2度までも先にブレークする。ただ同じ数だけのブレークを許し、もつれこんだタイブレークの末にこのセットを失うと、第2セットは見せ場を作りつつも最後は王者に突き放された。

「今回のナダル選手との試合は、正直勝ちにいったし、勝ちたかった……」。試合から1週間以上たった今も、あの戦いを思い出すと、西岡の胸には悔いがこみ上げる。それは絶対的な手応えの裏返しであり、だからこそ、彼我の戦力差を正しく図ることもできた。

「ナダル選手とやるときは、基本、フォアの高いところを狙おうとしています。彼のフォアは下からこするので、速くて低いボールを待ってダウンザラインに打ちたがる。僕もそれが好きなので、わかるんです。バックサイドに打つ時は、フォアに回り込まれないよう、しっかり振っていくことを心掛けました。バックのクロスコートの打ち合いで、うまくカウンターでダウンザラインに打てるかがキーだと思っていて、そこの展開はうまくハマったんです」
 
 同じサウスポーとして、幼少期から憧れ「他の選手よりたくさん試合も見てきた」ナダルのプレーパターンは、西岡の脳裏に焼き付いている。それが有効な戦略を立てる上で、役立ったのは間違いない。

 では、最終的に試合を分けたものとは何だったのか? 

「やっぱり、(第1セットのゲームカウント)5-4で攻めるべきだったと思います。あのゲームで攻めきれなかった。めっちゃ攻めたいと思ったんです。でもあの場面で、それまでできていたことができなくなった。ナダル選手から勝てるチャンスが出てきた、行けるかもしれない、本当に勝てるかもしれないと思った時に、気持ち的に引いてしまった。そこが差ですね」

 そう明瞭にターニングポイントを分析する彼に、「その差を埋める要素とは何か?」と問うと、「経験です」と即座に返ってきた。
 

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