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国内テニス

現役プロテニス選手でありながら年間6大会を主催する内山靖崇!後進たちの羽ばたきを後押しする揺るぎなき思い<SMASH>

内田暁

2025.07.22

世界へ羽ばたくための大会と位置付ける主催者の内山は、ヒナ鳥の巣立ちを見守るように優しく厳しく後進たちを後押しする。写真:(C)BLUE SIX OPEN

世界へ羽ばたくための大会と位置付ける主催者の内山は、ヒナ鳥の巣立ちを見守るように優しく厳しく後進たちを後押しする。写真:(C)BLUE SIX OPEN

 2022年及び23年は、「UCHIYAMA CUP」を札幌で2週連続開催。2024年には、サプリメントやコーヒーブランド『BLUE SIX』のスポンサードを受け、東京に大会を新設した。加えて今年は、大阪市でも「BLUE SIX OPEN」を2週連続開催。世界に羽ばたくための順路を、より明確に円滑に結ぶことが可能になった。

 大会運営に関しては、現役選手ならではの内山のこだわりや気配りが、会場のそこかしこに散りばめられている。

 例えば、ボールのクオリティ。このクラスの大会では、準備できるボールの数に限りがあるのが現状だ。だが内山は、国際基準である7ゲーム及び9ゲームごとのニューボールを徹底した。「選手のためにも、そして見に来てくれるファンのためにも、高いパフォーマンスを発揮してほしい」というのが、真新しいボールに込められた願いだ。

 細かな心遣いでは、試合中の使用タオルを置くボックスを、高い場所に設置するのも内山のアイディア。

「フューチャーズだと、地面に置かれたカゴにタオルが入っていることが多いのですが、試合で疲れてくると、腰を折って屈むのも結構つらくなる。腰から胸くらいの高さにタオルがあると、選手としてはすごく楽なんです」

 それら小さな気遣いの蓄積が、選手のパフォーマンスを後押しもするだろう。ただ現実問題として、環境を良くすれば何かと物入りになる。それが実現可能なのは、内山靖崇という名も実績もある現役選手が、情熱と合理性をもって、支援してくれる人々に理念を伝えているからに他ならない。
 
 大会を重ねるにつれ、その存在は周知され、開設の意義も可視化されていく。実際に4年続けたことで、既に一定の成果や手応えも感じていると内山は言う。

「例えば2022年に札幌で2週連続優勝した野口莉央は、翌年にはATPツアーやグランドスラム予選に出られるようになりました。去年は磯村志が札幌で優勝して、その後、秋のATPチャレンジャーですごく頑張っていました。

 もともと、第1回 UCHIYAMA CUP優勝者は、島袋将。島袋は、今ではツアーやグランドスラムの常連として活躍してくれています。中川直樹も2023年に札幌で優勝して、去年はATPチャレンジャーでも優勝した。そうやって選手たちがステップを進んでいってくれるのを見ると、やる意義を自分の中ではすごく感じられます」

 選手目線に立ち、選手にとって快適な大会環境を整えるのは、決して、彼らに繰り返し出場して欲しいからではない。次の舞台への道を舗装することで、より素早く駆け抜けてほしいからだ。

「今年出ている選手たちには、来年はいないでほしいというか、上のステージに行ってほしい。『もう戻ってくるなよ』という気持ちで見ています」

 まるでヒナ鳥の巣立ちを見守るように、優しく厳しく、後進たちの羽ばたきを後押ししている。

取材・文●内田暁

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