2022年及び23年は、「UCHIYAMA CUP」を札幌で2週連続開催。2024年には、サプリメントやコーヒーブランド『BLUE SIX』のスポンサードを受け、東京に大会を新設した。加えて今年は、大阪市でも「BLUE SIX OPEN」を2週連続開催。世界に羽ばたくための順路を、より明確に円滑に結ぶことが可能になった。
大会運営に関しては、現役選手ならではの内山のこだわりや気配りが、会場のそこかしこに散りばめられている。
例えば、ボールのクオリティ。このクラスの大会では、準備できるボールの数に限りがあるのが現状だ。だが内山は、国際基準である7ゲーム及び9ゲームごとのニューボールを徹底した。「選手のためにも、そして見に来てくれるファンのためにも、高いパフォーマンスを発揮してほしい」というのが、真新しいボールに込められた願いだ。
細かな心遣いでは、試合中の使用タオルを置くボックスを、高い場所に設置するのも内山のアイディア。
「フューチャーズだと、地面に置かれたカゴにタオルが入っていることが多いのですが、試合で疲れてくると、腰を折って屈むのも結構つらくなる。腰から胸くらいの高さにタオルがあると、選手としてはすごく楽なんです」
それら小さな気遣いの蓄積が、選手のパフォーマンスを後押しもするだろう。ただ現実問題として、環境を良くすれば何かと物入りになる。それが実現可能なのは、内山靖崇という名も実績もある現役選手が、情熱と合理性をもって、支援してくれる人々に理念を伝えているからに他ならない。
大会を重ねるにつれ、その存在は周知され、開設の意義も可視化されていく。実際に4年続けたことで、既に一定の成果や手応えも感じていると内山は言う。
「例えば2022年に札幌で2週連続優勝した野口莉央は、翌年にはATPツアーやグランドスラム予選に出られるようになりました。去年は磯村志が札幌で優勝して、その後、秋のATPチャレンジャーですごく頑張っていました。
もともと、第1回 UCHIYAMA CUP優勝者は、島袋将。島袋は、今ではツアーやグランドスラムの常連として活躍してくれています。中川直樹も2023年に札幌で優勝して、去年はATPチャレンジャーでも優勝した。そうやって選手たちがステップを進んでいってくれるのを見ると、やる意義を自分の中ではすごく感じられます」
選手目線に立ち、選手にとって快適な大会環境を整えるのは、決して、彼らに繰り返し出場して欲しいからではない。次の舞台への道を舗装することで、より素早く駆け抜けてほしいからだ。
「今年出ている選手たちには、来年はいないでほしいというか、上のステージに行ってほしい。『もう戻ってくるなよ』という気持ちで見ています」
まるでヒナ鳥の巣立ちを見守るように、優しく厳しく、後進たちの羽ばたきを後押ししている。
取材・文●内田暁
【動画】徳田廉大が2週連続優勝した「BLUE SIX OPEN 2025東京」Week2決勝
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例えば、ボールのクオリティ。このクラスの大会では、準備できるボールの数に限りがあるのが現状だ。だが内山は、国際基準である7ゲーム及び9ゲームごとのニューボールを徹底した。「選手のためにも、そして見に来てくれるファンのためにも、高いパフォーマンスを発揮してほしい」というのが、真新しいボールに込められた願いだ。
細かな心遣いでは、試合中の使用タオルを置くボックスを、高い場所に設置するのも内山のアイディア。
「フューチャーズだと、地面に置かれたカゴにタオルが入っていることが多いのですが、試合で疲れてくると、腰を折って屈むのも結構つらくなる。腰から胸くらいの高さにタオルがあると、選手としてはすごく楽なんです」
それら小さな気遣いの蓄積が、選手のパフォーマンスを後押しもするだろう。ただ現実問題として、環境を良くすれば何かと物入りになる。それが実現可能なのは、内山靖崇という名も実績もある現役選手が、情熱と合理性をもって、支援してくれる人々に理念を伝えているからに他ならない。
大会を重ねるにつれ、その存在は周知され、開設の意義も可視化されていく。実際に4年続けたことで、既に一定の成果や手応えも感じていると内山は言う。
「例えば2022年に札幌で2週連続優勝した野口莉央は、翌年にはATPツアーやグランドスラム予選に出られるようになりました。去年は磯村志が札幌で優勝して、その後、秋のATPチャレンジャーですごく頑張っていました。
もともと、第1回 UCHIYAMA CUP優勝者は、島袋将。島袋は、今ではツアーやグランドスラムの常連として活躍してくれています。中川直樹も2023年に札幌で優勝して、去年はATPチャレンジャーでも優勝した。そうやって選手たちがステップを進んでいってくれるのを見ると、やる意義を自分の中ではすごく感じられます」
選手目線に立ち、選手にとって快適な大会環境を整えるのは、決して、彼らに繰り返し出場して欲しいからではない。次の舞台への道を舗装することで、より素早く駆け抜けてほしいからだ。
「今年出ている選手たちには、来年はいないでほしいというか、上のステージに行ってほしい。『もう戻ってくるなよ』という気持ちで見ています」
まるでヒナ鳥の巣立ちを見守るように、優しく厳しく、後進たちの羽ばたきを後押ししている。
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