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国内テニス

【伊達公子】上半期は苦しい状況となった大坂なおみと錦織圭。最も躍動したのは若手の園部八奏<SMASH>

伊達公子

2025.07.18

全体的に低迷気味だった上半期の日本勢だったが、全豪ジュニア優勝の園部八奏に関しては「身長はありますし左利きですから、強みはあります」と伊達公子さんは期待を込める。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

全体的に低迷気味だった上半期の日本勢だったが、全豪ジュニア優勝の園部八奏に関しては「身長はありますし左利きですから、強みはあります」と伊達公子さんは期待を込める。写真:金子拓弥(THE DIGEST写真部)

 2025年上半期の日本テニス界を振り返ってみましょう。

 大坂なおみ選手が完全に復帰したものの、結果はなかなか出ていません。しかし、相当良い状態ではあります。フィジカルもテニスも良くなっており、グランドスラム(四大大会)に優勝した時よりも成長していると思います。

 しかし、それが結果に直結しないところが、難しい点です。ランキングも49位なので、序盤でシード選手と当たる可能性もあるため運も関係してきます。底力はあるので、準備を整えて、チャンスを待つことでしょう。

 今年の内島萌夏選手は、変わってきたなという印象を持っていました。ストロークの安定感や精度の高さ、戦い方や気持ちの面など良くなってきていました。それによってマドリード・オープンでベスト8に入るなど結果も付いてきて期待していたのですが、全仏オープン1回戦では日比野菜緒選手に何もできずに負けてしまいました。マドリードの時はタフに戦っていたので、その時の状態に戻ってほしいところです。

 日本女子で上半期に最も躍動したのは、17歳の園部八奏でしょう。1月の全豪オープンジュニアで優勝した後、WTAツアーデビュー戦となる、アブダビ・オープンで予選を突破し、本戦2回戦に進出しました。その後、ITFツアーW100大会でも優勝し、ランキングをキャリアハイとなる287位にまで押し上げています。

 まだこれから積み重ねていかなくてはいけない部分があるのは当然ですが、身長はありますし左利きですから、強みはあります。期待できるので、下半期も彼女の活躍を追いかけると面白いでしょう。
 
 昨年は多くの選手が活躍した印象ですが、今年の日本男子には少し勢いがありませんね。ヤニック・シナーとカルロス・アルカラスの全仏オープン決勝を見てもわかるように、男子テニスは今までとは違うレベルに突入しています。今後も彼らのような選手たちが出てくるでしょう。

 その中で100位や50位以内に入ろうとすると、正統派と言うだけのプレースタイルでは難しくなってきます。西岡良仁選手のように、左利きとかドロップショットを使うなど、個性が必要です。

 イタリアがチャレンジャー(下部大会)を多く作ることで選手強化に成功したように、日本でもチャレンジャーが充実してきましたので、そこでしっかりと結果を出して安定したランキングを維持しつつ、時々勝負に出てランキングを上げる方法を模索するのもいいと思います。

 錦織圭選手の本来の力は誰もがわかっていますが、年齢やブランク、ランキングを考えると厳しい状況ですね。故障した1か所が治っても、また別のケガが出てくる。現在は1週間戦い抜くのも難しいようです。

 そんな中で何をモチベーションにするのかです。それによって調整の仕方も変わってきます。錦織選手には、正しい見極めをし、自分の残されたキャリアの中で、やれることをやってほしいと思います。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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