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海外テニス

【レジェンドの素顔3】マッケンローが突然のスランプに陥る。原因は彼を取り巻く女性たち?|前編〈SMASH〉

立原修造

2021.01.27

女性に対してはおくてだったと言うマッケンロー。写真:THE DIGEST写真部

女性に対してはおくてだったと言うマッケンロー。写真:THE DIGEST写真部

女性に対しては純情な男

 マッケンローはこう言っている。

「女性に対してはおくてのところがずっとあったよ。気に入った娘がいても、振られるんじゃないかと思うと、なかなか自分の気持ちを言い出せなかったものさ」。テニスコート上での傍若無人の姿とは裏腹な一面がここにはある。彼は女性に対しては、ごく"純情"な男なのである。

 ここで、マッケンローがこれまで交際した女性たちを振り返ってみよう。

 テータム以前、マッケンローの恋人としてよく知られたのは、ステーシー・マーゴリンとステラ・ホールである。ステーシーとは、ジュニア時代からの仲良しで、いわば幼友達であった。ともに大学に進んでから本格的な交際が始まった。こんな逸話がある。1977年7月のことだ。
 
「俺はウインブルドンで準決勝まで進んで、有項天だった。何しろ予選から8連勝もしたんだから注目の的さ。家に帰ってから、すぐにステーシーのところに電話をしたんだ。喜び勇んでね。ところが、ステーシーの声が沈んでいるんだ。『父がたった今、亡くなったの』と言うじゃないか。頭をガーンと殴られる気がしたよ。ステーシーの悲しみも知らないで一人で勝手にウキウキしていたんだからな、俺はとても恥ずかしかったよ」

 これをきっかけにして、2人の仲はさらに深まったが、結局は長続きしなかった。なぜか? お互いに自分を主張しすぎるために口争いが絶えなかったのだ。たとえば、この2人は、デートの待合わせ場所を決めるだけで30分はもめるだろう。こんなことなら、食事の好みを合わせるのに一生かかってしまう。

 それに、お互いにテニスプレーヤーとしてスレ違いが多く、じっくり話し合う時間が少なかった。2人はいつしか疎遠になってしまった。しかし、決して憎み合って別れたわけではない。それだけが、マッケンローにとって救いだった。
(続く)

文●立原修造
※スマッシュ1986年10月号掲載原稿に加筆・修正

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