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国内テニス

会社員やコーチらの大きな目標“ベテランテニス全日本への道”を三冠王者に聞く |入門編

甘利隆

2021.01.04

全日本選手権40歳、45歳、50歳以上の部で優勝した実績を持つ崔(チョイ)さん。写真:石井テニスアカデミー

全日本選手権40歳、45歳、50歳以上の部で優勝した実績を持つ崔(チョイ)さん。写真:石井テニスアカデミー

 テニスは“見るスポーツ”としてだけでなく、“やるスポーツ”としても人気が高い。海外の研究では、テニスを日常的にプレーしていると寿命が約10年伸びるというデータもある。

 幼少の頃から本格的に競技として取り組んできた方はもちろん、元々は運動不足の解消やレジャー目的で始めた方も技術が上がってくると、ある程度きちんとした大会に出て、腕試しをしてみたくなる。

 テニスには草トーナメントというポイントがつかない大会を始め、レベル、規模さまざまな試合があるが、大人の一般プレーヤーによる国内最高峰の大会といえるのが『全日本ベテランテニス選手権』だ。

 同選手権では、男女とも35歳以上から5歳刻みで85歳以上まで、それぞれシングルスとダブルスが種目設定されている。このあたりも“生涯スポーツ”と称されるテニスならではだろう。

 2020年大会は新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となってしまった『全日本ベテランテニス選手権』だが、2019年に50歳以上男子シングルスで日本一に輝き、過去にも40歳以上、45歳以上の各シングルスを制している崔 城薫(チョイ・ソンフン)さんにお話をうかがい、ベテランテニスの大会へのエントリーの方法やその魅力について、2回にわたり、語っていただいた。

 現在も50歳以上男子シングルスでランキング1位(2020年11月30日付)をキープする崔さんは、ダブルスでボリス・ベッカーを破った経験を持ち、元全日本ダブルス王者でもある石井弘樹氏が主宰する石井テニスアカデミー(山梨県甲府市)で普段はコーチを務めているが、いち競技者、また、指導者として見たベテランテニスの世界とは、果たしてどんなものなのだろうか。
 
実はプロと似ている全日本への道筋


『全日本ベテランテニス選手権』出場への第一歩として、まず真っ先にしなければならないのはベテラン選手登録だ。登録はJTA(公益財団法人 日本テニス協会)のWebサイトから必要書類をダウンロードし、郵便局に常置されている「払込取扱票」を使用して行なう。年間登録料は3,000円で1年ごとの更新となる。選手登録をしないとジュニアやプロと一緒でポイントを獲得できない。

 その後、JTAに加盟する各都道府県のテニス協会が開催する、ベテランJOP対象大会に出場してポイントを稼ぎ、全日本ベテランを目指していくのだが、A、B、C、D、E1・E2、F1・F2と大会のグレードが分けられている。では、どのような大会から出場していけば良いのだろうか。

「男子プロの場合、グランドスラムを頂点に、ATPマスターズ1000・500・250から成るいわゆるツアー大会、その下部のATPチャレンジャー大会、ITFフューチャーズ大会とピラミッド構造になっていますが、実はベテランもプロとシステムが似ているんですよ。グレードの高い大会ほど獲得できるポイントが多いんです。全日本ベテランで優勝すれば一番たくさんポイントを獲れますが、まだポイントをあまり多く持っていない人は、まずポイントを稼ぎやすいレベルが高くない試合に出ます」と崔さんは語る。
 

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