しかし、心理学というのはあくまでも統計であって、見当違いのこともある。人生というのは、学問の世界からはうかがい知れないような神秘性を秘めているものだ。
それにしても、2人の実生活をイメージするとき、映画の『ペーパームーン』のいくつかのシーンが甦ってくる。この映画は1973年にライアン・オニールとテータムが親子で共演した名作で、テータムは当時まだ9歳であった。しかし、その名演ぶりで、ゴールデングローブ新人賞やアカデミー助演女優賞に輝き、一躍天才子役とうたわれた。
映画の内容は、詐欺もどきの聖書セールスマンと、もしかしたら彼の子どもかもしれない少女との道中記だが、聖書セールスマン役のライアン・オニールは、少女役のテータムの小憎らしく賢く、おませすぎる態度にさんざん困らされる。そこがこの映画のポイントだった。
まさか、マッケンローは、ライアン・オニールが演じた「困らされる大人」役を、実生活の上で演じさせられているわけではないだろう。もし、そうなら、とても復活など望めないのだが――。
文●立原修造
※スマッシュ1986年10月号から抜粋・再編集
【PHOTO】マッケンローetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.1
それにしても、2人の実生活をイメージするとき、映画の『ペーパームーン』のいくつかのシーンが甦ってくる。この映画は1973年にライアン・オニールとテータムが親子で共演した名作で、テータムは当時まだ9歳であった。しかし、その名演ぶりで、ゴールデングローブ新人賞やアカデミー助演女優賞に輝き、一躍天才子役とうたわれた。
映画の内容は、詐欺もどきの聖書セールスマンと、もしかしたら彼の子どもかもしれない少女との道中記だが、聖書セールスマン役のライアン・オニールは、少女役のテータムの小憎らしく賢く、おませすぎる態度にさんざん困らされる。そこがこの映画のポイントだった。
まさか、マッケンローは、ライアン・オニールが演じた「困らされる大人」役を、実生活の上で演じさせられているわけではないだろう。もし、そうなら、とても復活など望めないのだが――。
文●立原修造
※スマッシュ1986年10月号から抜粋・再編集
【PHOTO】マッケンローetc…伝説の王者たちの希少な分解写真/Vol.1