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海外テニス

18歳の王者候補アルカラス!大ブレークの転機は2年前の“勝利と敗北”だった【シリーズ/ターニングポイント】

内田暁

2022.04.06

前週行なわれたマイアミ・オープンで大会史上最年少優勝を遂げたアルカラスからは、さらなる躍進を予感させるオーラが漂う。(C)Getty Images

前週行なわれたマイアミ・オープンで大会史上最年少優勝を遂げたアルカラスからは、さらなる躍進を予感させるオーラが漂う。(C)Getty Images

「この彼の急成長は驚きか?」

 試合後にそう問われたフェレーロは、「答えはイエスであり、ノーだ」と即答した。

「2~3年前から、彼の潜在能力には気が付いていた。練習でも、当時から彼はトップ選手たちと渡り合えていた。正しい道を歩んでいけば、能力は開花すると信じていた」

 そのコーチに、「彼の能力が開花する上で、ターニングポイントとなった試合やトーナメントはあったか?」と尋ねると、次のような答えが返ってきた。

「彼が16歳だった時のリオ・オープンが、おそらくは重要だったと思う。カルロスはラモスに勝ち、自分にはこのレベルで戦える力があることを証明した。ただ同時に、あの時の彼はフィジカル面や環境への適応で、とても苦しみもした。自分に何が足りていないか知ることができたと思う。あのトーナメントで彼は、ここから先も練習と努力を重ねていけば大丈夫だと、自分を信じることができたと思う」
 
 フェレーロが言及したリオ・オープンとは、2020年2月開催のクレーコート大会。当時406位だったアルカラスは、初戦で41位のアルベルト・ラモス=ビノラスを、3時間越えの熱戦の末に7-6、4-6、7-6のスコアで破った。ただ次の試合では、116位のフェデリコ・コリアにフルセットで敗れる。

 連戦を戦い抜く体力と精神力の重要性を、当時16歳の少年は、この大会で痛感したという。

 その2年後——。

 インディアンウェルズでベスト4まで勝ち上がった18歳は、翌週のマイアミ・オープンで6試合を勝ち抜き、大会史上初のスペイン人優勝者の栄冠に輝いた。

現地取材・文●内田暁

【連続写真】将来の王者候補アルカラスの動かされても力強く返球したフォアハンド
 
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