多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す『セルフジャッジ』でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単だ」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。
そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回は試合中のコート変更についてです。例えば、西日が眩しくてボールがよく見えません。これでは危ないと思うので試合中ですが別のコートに替えてもらうことはできるのでしょうか。
◆ ◆ ◆
ボールが見えにくく危険を感じるのであれば、その時点でロービングアンパイア(セルフジャッジの試合会場を巡回している審判またはレフェリー)を呼んで事情を説明し、コートを替えてもらうことはできます。
別のコートに移るタイミングは、試合中であればセットにおけるゲーム数の合計が偶数になったあとか、セットの終わった時点で行ないます。
ただし、場所を変える場合は他のコートに余裕があることと、試合をしている両者が「コートを替えてほしい」と感じていなければなりません。どちらか片方のプレーヤーだけが「眩しい」というのならコートは替えられません。
先日あったのは「ナイター照明が暗いのでボールがよく見えない」というケースです。照明が大きな木の陰にかかりコートの一部が暗くなるというものでした。
だそれは夕立で突然雨に降られたというような急に起こることではありません。時間の経過とともに徐々に周囲が暗くなり、それにともないコートの木の陰が濃くなって見えにくくなったわけです。なのでその時は「今、急に見えにくくなったわけではないですよね」と話しましたが、両プレーヤーは「だんだん見えなくなってきた」と主張するので、「では、向こうのコートが空いたので、そちらへ移動しましょう」と替えることにしました。
別のコートに移ることでお互いが納得して気持ちよくプレーできるのであれば、コートを替えてもいいと思います。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。日本テニス協会理事。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2025年2号より抜粋・再編集
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そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこでテニス四大大会の出場経験を持つ元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回は試合中のコート変更についてです。例えば、西日が眩しくてボールがよく見えません。これでは危ないと思うので試合中ですが別のコートに替えてもらうことはできるのでしょうか。
◆ ◆ ◆
ボールが見えにくく危険を感じるのであれば、その時点でロービングアンパイア(セルフジャッジの試合会場を巡回している審判またはレフェリー)を呼んで事情を説明し、コートを替えてもらうことはできます。
別のコートに移るタイミングは、試合中であればセットにおけるゲーム数の合計が偶数になったあとか、セットの終わった時点で行ないます。
ただし、場所を変える場合は他のコートに余裕があることと、試合をしている両者が「コートを替えてほしい」と感じていなければなりません。どちらか片方のプレーヤーだけが「眩しい」というのならコートは替えられません。
先日あったのは「ナイター照明が暗いのでボールがよく見えない」というケースです。照明が大きな木の陰にかかりコートの一部が暗くなるというものでした。
だそれは夕立で突然雨に降られたというような急に起こることではありません。時間の経過とともに徐々に周囲が暗くなり、それにともないコートの木の陰が濃くなって見えにくくなったわけです。なのでその時は「今、急に見えにくくなったわけではないですよね」と話しましたが、両プレーヤーは「だんだん見えなくなってきた」と主張するので、「では、向こうのコートが空いたので、そちらへ移動しましょう」と替えることにしました。
別のコートに移ることでお互いが納得して気持ちよくプレーできるのであれば、コートを替えてもいいと思います。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF公認審判員、JTA公認審判員も務める。日本テニス協会理事。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2025年2号より抜粋・再編集
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