専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
レッスン

慶應生&東大生研究チームが徹底分析!テニスの競技成績を飛躍的に向上させるヒント【ブレークスルーの鍵:第7回】<SMASH>

2025.10.18

目が向きやすい「弱み」だけでなく、「強み」にも着目することがブレークの鍵。(C)Getty Images

目が向きやすい「弱み」だけでなく、「強み」にも着目することがブレークの鍵。(C)Getty Images

 どうすればテニスで一段上のステージへ行けるのだろうか?日々練習に打ち込み、試合にも出場している方であれば、誰でも一度は思うことでしょう。

 この謎に迫るべく、飛躍的に競技成績が向上する現象を「ブレークスルー」と名付け、過去にブレークスルーの経験があり、全国大会で上位進出経験のある8名の選手にインタビューを行ない、その内容を徹底分析しました。

 その結果、多くの選手が共通してブレークスルーのために重要だと感じている事柄が浮かび上がってきました。まず欠かせないのは、練習の質を高め、競技力を継続的に高めていくことです。そして、成長につながる負荷のかかった練習に日々取り組むためには、高いモチベーションを保ち続けることが求められます。さらに、たとえ競技力が向上しても、「練習ではできるのに、試合では上手くいかない」という現象が起こるように、身につけた実力を試合で発揮できるようになることも大切です。

 第7回は、競技力を継続的に高めていくために重要となる「自分の強み・弱みを明確に認識すること」について解説していきます。

■練習の質を高める「課題」への意識

「課題を意識して練習しよう!」——これは、部活動やクラブチームの練習でよく耳にする言葉のひとつです。

前回、「明確な目的があること」が質の高い練習の原則の1つであることを説明しました。ただ気持ちよくボールを打つだけでなく、「より良い当たりで打つために、腰の回転を意識する」といった、具体的な「課題」を持って練習することが大切であるのは容易に想像がつきます。

 こうした「課題」には、大きく2つのタイプがあるのではないかと考えています。すぐに思いつくのは、「自分の弱みを改善するタイプ」の課題です。しかし、もう1つ忘れてはならないのは「自分の強みをさらに伸ばすタイプ」の課題です。

■「課題」とは「弱点の克服」だけを指すわけではない

「あなたの課題は何ですか?」と問われると、無意識のうちに「あなたの弱点は何ですか?」と問われているように感じるのではないでしょうか。

 スポーツ心理学の研究では、自分の「強み」と「弱み」の両方があったとき、北米文化圏の選手は「強み」に注意を向けやすく、日本が属する東アジア文化圏の選手は「弱み」に注意を向けやすい傾向があることが示されています。この背景には、謙遜を重んじる価値観や、弱点を直すことを重視した教育的風土といった文化的な要因があると考えられます。もちろん、同じ文化圏のなかでも個人差があるうえに、「弱み」に注意を向けやすいことは決して悪いことばかりではなく、それが「向上心」や「自己改善」へとつながる場合も少なくありません。

 しかし、「課題」という言葉を「目標達成に向けて取り組むべきこと」として捉えるのであれば、それは決して「弱点の克服」のみを指すわけではなく、「強みをより伸ばすこと」も含まれます。ある選手はインタビューで、「自分の武器をさらに磨き上げるのは、ブレークスルーする上で重要だと思う。自分の場合、弱点のフォアにどうしても目を向けたくなる。自主練習をするにしても、フォアの練習ばかりやりたくなる。でも、結局試合で勝負を決めるのはバックとサーブ。だからこそ、そこにも目を向けて、時間をかけていくことも大切だと思う」と話しています。このように、自分の「弱み」だけでなく、「強み」にも意識的に目を向け、磨きをかけていくことが大切になります。
 
NEXT
PAGE

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号

  • soccer_digest

    1月13日(火)発売

    定価:980円 (税込)
  • world_soccer_digest

    1月22日(木)発売

    定価:890円 (税込)
  • smash

    1月21日(水)発売

    定価:800円 (税込)
  • dunkshot

    12月24日(水)発売

    定価:1100円 (税込)
  • slugger

    1月23日(金)発売

    定価:1100円 (税込)