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海外テニス

大坂なおみ、対戦相手変更に戸惑うも逆転勝利でイタリア国際3回戦進出!「この試合が最後のゲームになる覚悟はできていた」<SMASH>

中村光佑

2025.05.09

対戦相手が突如変更されたことでゲームプランを狂わされた大坂なおみであったが、ピンチの状況でも粘り強くプレーをして逆転の末に3回戦進出を果たした。(C)Getty Images

対戦相手が突如変更されたことでゲームプランを狂わされた大坂なおみであったが、ピンチの状況でも粘り強くプレーをして逆転の末に3回戦進出を果たした。(C)Getty Images

 女子テニスツアーのWTA1000シリーズ「イタリア国際」(5月6日~18日/イタリア・ローマ/クレーコート)は現地8日に大会3日目を迎え、シングルス2回戦に元世界ランキング1位の大坂なおみ(現48位)が登場。ノーシードのビクトリア・ゴルビッチ(スイス/同87位)を2-6、7-5、6-1で下し、3回戦進出を決めた。

 大坂はこの日の2回戦で元世界2位のパウラ・バドサ(スペイン/現10位)と顔を合わせるはずだったが、試合直前にバドサが背中の負傷を理由に棄権。これを受けて大坂の対戦相手がラッキールーザー(欠場者の発生により予選敗者が本戦に繰り上がる措置)のゴルビッチに急遽変更された。

 試合は立ち上がりから大坂がストローク戦で精彩を欠き、2度のサービスダウンを喫して第1セットを献上。第2セットは第2、6ゲームでブレークを奪った大坂だったが、自身は第9ゲームまでに3度サービスゲームを落とし、あと1ゲームを取られれば敗戦という絶体絶命の状況に陥った。

 それでもここから大坂が驚異の粘りを見せる。ゴルビッチのサービング・フォー・ザ・マッチとなった第10ゲームで起死回生のブレークバックを果たすと、立て続けに第12ゲームもブレークしてセットオールに。勝負のファイナルセットでは大坂が一気にスパートをかけ、相手に1ゲームしか与えない完璧なプレーを見せて勝負あり。1時間50分で鮮やかな逆転勝ちを収めた。
 
 バドサ戦に向けて準備していたという大坂は試合後、「ラッキールーザーがシード選手の代わりに本戦に出場できる」というルールを知らず、「対戦相手が棄権したら不戦勝だと思っていた」とコメント。予想外の事態にかなり戸惑ったとしつつも、「今日はトーナメントのルールについて色々学んだわ」と語った。

 試合内容については「この試合が今大会最後のゲームになるという覚悟はできていた」と、ピンチの状況でも吹っ切れた気持ちでプレーできたと振り返る。どうやら大坂には劣勢を打開する自信もあったようで、「私はただ自分のミスでリードされていただけで、彼女(ゴルビッチ)にウイナーを決められていたわけではなかった。だから彼女が勝つなら人生最高のプレーをしてもらわなきゃ、みたいに考えていた」と締めくくった。

 これで大坂はクレー初優勝を飾った先週の下部大会「サン・マロ・オープン35」(WTA125)からマッチ7連勝。次なる3回戦では元世界24位のマリー・ボウズコワ(チェコ/現53位)と対戦する。この勢いのまま大坂のさらなる勝ち上がりを期待したい。

文●中村光佑

【画像】大坂なおみの勝利を伝える「イタリア国際」公式インスタグラム

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