「すっごく、うれしいです!」
頬を紅潮させて、田畑遼が声を弾ませた。
今回の全仏オープンテニスのジュニアは、彼にとって通算3度目のグランドスラム。過去2度は初戦敗退を喫していたため、まさに“三度目の正直”の白星だった。それも初戦を6-4、6-4で突破すると、2回戦もストレートの快勝。さらに3回戦では、大会第4シードのジャック・ケネディ(アメリカ)にも6-4、7-6(4)で競り勝った。冒頭の「すっごく、うれしいです!」は、この勝利後の言葉である。
田畑が3回戦の勝利を殊更喜んだのには、訳がある。
「今日の相手には、過去3回負けていて。クレーで2回、ハードコートで1回やったんですが、クレーでは1セットも取れてなかったんです」
戦績的にも、苦手意識があった相手。しかも直近の今年2月の対戦では、赤土の上で0-6、0-6の完敗を喫していた。
ケネディはジュニア世界ランキング5位の将来有望株だが、パワーで押してくる選手ではない。コートカバー能力に長け、ミスが少ない堅守タイプ。過去の対戦では「相手のミスのないプレーにやられた」との思いが田畑には強かった。
そこで今回の対戦では、「絶対に自分からミスはしない」と誓ってコートに立つ。もちろんそこに、田畑の持ち味である緩急や、ショットバリエーションを効果的に散りばめながら。
迎えた2連続マッチポイントでは、「絶対に勝ちたいと思ったら、手が震えた」と苦笑い。このチャンスを逃すも、タイブレークで勝ち切った自分を、「もう1回集中し、立て直せたところが良かった」と褒めた。翌日の試合も、サウスポーのビッグサーバー相手に落ちついた試合運び。第2セットを逆転で取り、6-3、7-6(5)で勝利した。
今大会のベスト4進出は、田畑にとって多少の驚きと安堵が混じる快進撃でもあっただろう。全仏オープンは、田畑が「一番好きで、一番勝ちたい大会」と公言してきたグランドスラム。14歳の日に会場を訪れて、「すごく良い場所だな」と心を揺さぶれた。
加えて、田畑が12歳から拠点とするのは、埼玉県の「むさしの村ローンテニスクラブ」。ダニエル太郎もかつて腕を磨いた土のコートで、多彩なテニスを構築してきた。「クレーが得意」との自負も、「全仏優勝」を実現可能な夢として抱いた要因だろう
頬を紅潮させて、田畑遼が声を弾ませた。
今回の全仏オープンテニスのジュニアは、彼にとって通算3度目のグランドスラム。過去2度は初戦敗退を喫していたため、まさに“三度目の正直”の白星だった。それも初戦を6-4、6-4で突破すると、2回戦もストレートの快勝。さらに3回戦では、大会第4シードのジャック・ケネディ(アメリカ)にも6-4、7-6(4)で競り勝った。冒頭の「すっごく、うれしいです!」は、この勝利後の言葉である。
田畑が3回戦の勝利を殊更喜んだのには、訳がある。
「今日の相手には、過去3回負けていて。クレーで2回、ハードコートで1回やったんですが、クレーでは1セットも取れてなかったんです」
戦績的にも、苦手意識があった相手。しかも直近の今年2月の対戦では、赤土の上で0-6、0-6の完敗を喫していた。
ケネディはジュニア世界ランキング5位の将来有望株だが、パワーで押してくる選手ではない。コートカバー能力に長け、ミスが少ない堅守タイプ。過去の対戦では「相手のミスのないプレーにやられた」との思いが田畑には強かった。
そこで今回の対戦では、「絶対に自分からミスはしない」と誓ってコートに立つ。もちろんそこに、田畑の持ち味である緩急や、ショットバリエーションを効果的に散りばめながら。
迎えた2連続マッチポイントでは、「絶対に勝ちたいと思ったら、手が震えた」と苦笑い。このチャンスを逃すも、タイブレークで勝ち切った自分を、「もう1回集中し、立て直せたところが良かった」と褒めた。翌日の試合も、サウスポーのビッグサーバー相手に落ちついた試合運び。第2セットを逆転で取り、6-3、7-6(5)で勝利した。
今大会のベスト4進出は、田畑にとって多少の驚きと安堵が混じる快進撃でもあっただろう。全仏オープンは、田畑が「一番好きで、一番勝ちたい大会」と公言してきたグランドスラム。14歳の日に会場を訪れて、「すごく良い場所だな」と心を揺さぶれた。
加えて、田畑が12歳から拠点とするのは、埼玉県の「むさしの村ローンテニスクラブ」。ダニエル太郎もかつて腕を磨いた土のコートで、多彩なテニスを構築してきた。「クレーが得意」との自負も、「全仏優勝」を実現可能な夢として抱いた要因だろう