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競馬

前哨戦を勝った日本馬3頭の勝算は? 脅威なのは地元フランス期待の強豪牝馬【凱旋門賞】

三好達彦

2025.10.05

昨年の凱旋門賞は牝馬のブルーストッキングが制した。(C)Getty Images

昨年の凱旋門賞は牝馬のブルーストッキングが制した。(C)Getty Images

 今年もこの日がやって来た。日本の競馬人、競馬ファンがその制覇を悲願とする欧州競馬の最高峰、凱旋門賞(G1、ロンシャン・芝2400m)が10月5日に開催される。

 今年は18頭がゲートインする予定だったが、1頭が出走を取り消して17頭立てとなる予定(4日現在)。G1ホースがずらりと並び、欧州のトップホースが顔を揃えた様子は壮観だ。

 日本馬は3頭がエントリー。いずれもがフランスでの前哨戦を勝って臨むという稀有なステップを踏んでおり、日本の競馬ファンのテンションは嫌がうえにも上がろうというもの。実際、前売りされている英国のブックメーカーでも上位人気に食い込んでいるのだから、もはや空騒ぎとは言えまい。

 気になる天候だが、週末は降雨になり、主催者は『重』となる予想とコメントしている。ただでさえタフな馬場がさらに重くなると日本馬には不利なのではと思うが、幸いなことに3頭とも前哨戦で道悪(稍重~重)をこなして勝利しており、最低限の馬場適性は担保されたと捉えられるのではないか。ちなみに、これまで本レースで日本馬が2着したのべ4回はすべて道悪での開催において記録されたもの。タフなコンディションを跳ね返したものしか、欧州制圧という栄誉は手にできない。
 
 さて、有力馬の解説に移りたいが、あまりに幅広く投網をかけるのは煩雑になるので、これまでの実績と近走の成績がバランスよく評価されている英ブックメーカーの上位人気馬に絞ってみたい。以下は10月3日現在の、英ブックメーカー『ウィリアムヒル』が示している単勝オッズ。20倍以下の10頭である。

枠番 馬名(調教国)     オッズ
――――――――――――――――――
1 ミニーホーク(愛)     4.3
12 アヴァンチュール(仏)   5.5
17 クロワデュノール(日)  11.0
10 カルパナ(英)      11.0
15 ビザンチンドリーム(日) 12.0
3 ソジー(仏)       12.0
4 アロヒアリイ(日)    13.0
8 クアリフィカー(仏)   15.0
13 ゲゾラ(仏)       15.0
11 ダリズ(仏)       17.0

 欧州勢では牝馬が人気を集めている。アイルランドのフランケル産駒、ミニーホーク(牝3歳/A.オブライエン厩舎)は英オークス、愛オークス、ヨークシャーオークスとG1レースを3連勝中。特にヨークシャーオークスでは2着に3馬身半差(0秒6)を付ける圧勝で、評価を一気に高めた。

 そして注目されるのは、本馬が追加登録料12万ユーロ(約2080万円)を支払っての出走であること。3歳牝馬の斤量は、古馬牡馬の59.5㎏と比べて4.5㎏も軽い55㎏。古馬牡馬との対戦がないのは気掛かりだが、能力の高さに加え、クールモア×オブライエンという世界最高峰チームの本気度、斤量の有利さ、そして有利な1番枠を引いたことでネガティヴファクターの一掃を狙う。

 地元フランスの期待はアヴァンチュール(牝4歳/C.フェルラン厩舎)に集まる。本馬は昨年の凱旋門賞でブルーストッキングと1馬身1/4差で2着しており、6月のサンクルー大賞(G1)を2着、9月のヴェルメイユ賞(G1)を快勝して本番へと臨んできた。ロンシャン競馬場での実績は〔2・3・0・0〕と素晴らしく、道悪も得意としている本馬にとって馬場悪化の予報は好材料。昨年、同じ舞台で古馬牡馬と互角以上の戦いをした経験を持つ点でミニーホークを上回るのではないか。
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