初年度産駒から２歳チャンピオンのフジキセキ、日本ダービー馬タヤスツヨシ、皐月賞馬ジェニュイン、オークス馬ダンスパートナーなどを送り出して、破格の成功を果たした大種牡馬サンデーサイレンス。その翌年、1993年生まれも当たり年となった。

　なかでも最初に大物と評判になったのは、敏腕トレーナーの名を欲しいままにする藤沢和雄のもとに預けられた鹿毛の牡馬、バブルガムフェローだった。

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　母バブルカンパニー（父Lyphard）の11番仔として北海道・千歳市の社台ファームで生まれたバブルガムフェローは、牧場でも非常に評判の高い馬だった。一説には「（牧場時代の）フジキセキよりも上だった」と口にするスタッフもいたほどだったという。
  　関係者の期待を込めて仕上げられたバブルガムフェローは、２歳になった1995年の８月に美浦トレーニング・センターの藤沢和雄厩舎へ入厩。約１か月のトレーニングを経て10月の新馬戦（東京・芝1800ｍ）でデビュー。単勝オッズ1.3倍の圧倒的な支持を得たが、スローで逃げた前の２頭を捉まえ切れず３着に敗れてしまう。しかし、中２週で出走した折り返しの新馬戦（東京・芝1800ｍ）では自ら先手をとってレースを進めると、後続に影をも踏ませず、鮮やかな逃げ切りで初勝利を収めた。

　ここからサンデーサイレンスが送り出した駿馬は快進撃のゾーンに突入する。11月に行なわれたオープンの府中３歳ステークス（現「東京スポーツ２杯歳ステークス」／東京・芝1800ｍ）を２番手からの抜け出しで快勝すると、続く朝日杯３歳ステークス（現「朝日杯フューチュリティステークス」／ＧⅠ、中山・芝1600ｍ）では、エイシンガイモンとの競り合いを制して3/4馬身差で優勝。この勝利を受けてJRA賞最優秀３歳牡馬（現「２歳牡馬」）に輝き、走りのスケールの大きさから翌年のクラシックにおける最有力候補と評されるようになった。