11月８日、フィギュアスケートのグランプリシリーズ第４戦NHK杯（大阪・東和薬品ラクタブドーム）は男子フリーが行なわれ、2022年北京五輪銀メダルの鍵山優真がフリー188.66点を挙げ、ショートとの合計287.24点で優勝。日本男子初の大会３連覇をシーズンベストで成し遂げた。２位はフリーで自己ベスト更新の完璧演技をみせた佐藤が285.71点で２位。日本勢がワンツーフィニッシュを飾った。

　鍵山は最初の４回転サルコウを成功。空中で軸が少々ブレながらも鋭い回転で回り切り、GOE（出来栄え点）の速報値では3.60点と高い加点を得た。２つ目の４回転＋３回転トウループでは１つ目のジャンプで転倒してしまうが、その後は冷静に１つひとつのエレメンツをこなした。

　後半は３つのコンビネーションジャンプ、単独の４回転ジャンプに２回転トウループを付けてしっかりリカバリー。前日のショートで「ありえないミス」と嘆き、０点を叩いてしまったスピンはしっかり最高評価のレべル４を取れた。

　ミスはありながらも同世代のライバル佐藤の猛追を振り切り、V3を決めた鍵山。２度目の出場を狙う勝負の五輪シーズン、22歳の若きエースは王者の底力を示し今季グランプリ初戦を逃げ切った。
  ▼NHK杯男子シングル結果（カッコ内はフリー得点）
優勝　鍵山優真　287.24点（188.66）
２位　佐藤駿　285.71点（189.04）
３位　ルーカス・ブリッチギー（スイス）　246.94点（163.49）

取材・文●湯川泰佑輝（THE DIGEST編集部）

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