バレーボール

途中出場の石川祐希が流れ呼び込むも…ペルージャ連敗「これでは間違いなくサポーターやスポンサーが…」会長は不満隠さず【セリエA】

THE DIGEST編集部

2025.11.26

トレンティーノ戦に出場したペルージャの石川祐希は6得点。@Lega Pallavolo SerieA

 現地11月23日、バレーボールのイタリアリーグ/スーペルレーガ2025-26シーズン前半7節が行なわれ、男子日本代表の石川祐希が所属するシル スーザ スカイ・ペルージャは、敵地でイタス・トレンティーノと対戦。セットカウント1-3(21-25、16-25、29-27、23-25)で敗れて2連敗を喫した。

 前節で同じく優勝候補に名前の挙がるヴェローナにフルセットで敗れ、開幕からの連勝がストップしたペルージャは、迎えた昨季リーグ王者とのこの一戦で次のような先発を組んだ。司令塔がイタリア代表シモーネ・ジャンネッリ、OPは元チュニジア代表ワシム・ベンタラ、MBがアルゼンチン代表アグスティン・ロセルとイタリア代表ロベルト・ルッソ、OHのポーランド代表カミル・セメニウクと元ウクライナ代表・オレフ・プロトニツキにL元イタリア代表マッシモ・コラチ。石川は2試合ぶりのベンチスタートとなった。〈S:セッター、OH:アウトサイドヒッター、OP:オポジット、MB:ミドルブロッカー、L:リベロ〉

 対するトレンティーノは、チヴィタノーヴァとヴェローナに敗れて4勝2敗の4位。今季から就任したアルゼンチン出身の名将マルセロ・メンデス新監督は、3シーズンにわたり率いたポーランドリーグのヤストシェンブスキ・ヴェンギェルで国内4冠。準優勝2回の欧州大会チャンピオンズリーグで、ペルージャが優勝カップを掲げた昨季は3位入賞していた。2019年から今年まで率いていた母国代表では、東京五輪で銅メダルを獲得している。

 先発メンバーは、イタリア代表のOHアレッサンドロ・ミキエレットとSリカルド・ズベルトリ、アンダーカテゴリーの同国代表として国際大会で最優秀リベロ賞を複数回獲得しているガブリエレ・ラウレンツァーノ、MBがブラジル代表フラビオ・グアルベルトとベラ・バーサ(ルーマニア)、チステルナで昨季に垂水優芽とチームメイトだった新加入のフランス代表OPテオ・フォールとスペイン代表OHジョルディ・ラモン。主力OHのイタリア代表ダニエレ・ラヴィアは、世界選手権の直前に右手薬指と小指に重篤な怪我を負い同大会の欠場を余儀なくされ、2週間前に再手術を受けたばかりで離脱が続いている。

 
 第1セット、ペルージャは序盤に許したブレーク5回で劣勢を強いられるが、中盤に入り2点差まで追い上げる。しかし、サイドアウトを取り合い迎えた後半にレセプションが乱れるなどして5点ビハインドへ後退。そこで、体調不良を抱えて出場したベンタラがコートを降りる。替わって起用された22歳のクロアチア代表ガブリエル・ツヴァンツィゲルのエースやセメニウクの好守をプロトニツキが得点へ変えて1点差に迫るも、サーブミスの後に被ブロックと誤打。アタック決定率38パーセント、レセプション(A+Bパス)成功率28%と低調さが響き試合を先行された。

 ベンタラをベンチに留めた第2セット、ペルージャは序盤からレセプションが定まらないなか、新加入OPのツヴァンツィゲルが健闘するも、周到なトレンティーノのブロックの前にOH陣のレフト攻撃が思うように決まらない。サーブと堅い守りから得点を重ねる相手に圧倒されて点差が開いていく。9-15で投入された石川が献身的な守備で好機を呼び込むが、なかなか得点につなげることができない。アタック決定率が33%に下がって大量リードを許したままセットを連取されてしまった。

 窮地のペルージャは、OH3枚の布陣で3セット目に臨む。ここで奮闘したのが石川だ。強打で自陣へのフリーボールを呼び込みロセルが得点。ジャンネッリの好守をコラチがアタックライン後方へ上げた2段トスを豪快に叩き込む。中盤の入りには、バックアタックをブロックに吸い込ませ、次のプレーで相手が返球をミスして9-8。以降、追う展開へ転じるが終盤の入りにOP経験のあるプロトニツキがライトからバックアタック、ジャンネッリのダイレクト弾、石川のブロックアウトで同点に追いついた。

 終盤、ペルージャはサーブを生かせない一方、相手にブレーク2回を奪われて21-24。プロトニツキのエース、トレンティーノの誤打もあって25-26と追い上げると、途中出場のセバスティアン・ソレとロセルのアルゼンチンMBコンビが連続ブロックを炸裂させて逆転。再びロセルのブロックで2度目のセットポイントをものにし、何とか望みをつないだ。

 
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「もっと決定的なパフォーマンスをしなければいけない」