競馬

唯一の外国馬カランダガンのリアル評価は? 日本の大将格ダノンデサイルが主軸【ジャパンC】

三好達彦

2025.11.29

唯一の外国馬カランダガンがJCに参戦する。(C)Getty Images

 伝統の国際招待レース、45回目を迎えるジャパンカップ(GⅠ、東京・芝2400m)が11月30日に行なわれる。

 日本馬の強さが目立つようになってからは参戦する外国馬の数が減少し、国際競走としてのカラーが薄まっている昨今のジャパンカップ。今年も外国馬の参戦は1頭のみだが、それが現役世界ナンバー1ホースであるカランダガン(せん4歳/フランス/F.グラファール厩舎)が来日を果たしたということで一気に盛り上がりを見せている。

 カランダガンは2021年、オーナーのアガ・カーン・スタッズによって生産されたフランス産馬。父Gleneagles、母Calayana(父Sinndar)という血統で、2歳時に去勢されてせん馬になっている。デビュー2戦目の条件戦を勝ち上がったあと、せん馬のためクラシック競走には出られなかったが、昨年の4月から6月にかけて重賞を3連勝。8月の英インターナショナルステークスから今年6月のコロネーションカップまでG1レースを4戦連続2着と歯痒い結果が続く。
 
 しかし6月末のサンクルー大賞(芝2400m)を豪快な追い込みで制すと、7月のキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークス(芝2390m)、英チャンピオンステークス(芝1990m)と仏・英G1レースを3連勝。一気に欧州中長距離路線の頂点へと駆け上がり、ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキングで1位を獲得して"世界最強馬"との評価を受け、欧州競馬の年度表彰であるカルティエ賞で2025年の年度代表馬に選出された。

 ジャパンカップでの外国馬の成績に関しては、最後に優勝したのが2005年のアルカセット、3着以内に入ったのが2006年のウィジャボード(3着)であり、以後18年にわたって馬券圏内から遠ざかっている。もはや説明するまでもなく、欧州と日本の馬場の違い、スピードの違いは歴然としており、その間の日本馬の目覚ましいレベルアップによって、欧州馬の関係者に「アウェーのジャパンカップを勝つのは容易でない」という認識も広がっている。
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