格闘技・プロレス

「全くもって奇妙な話だ」フューリーに“疑惑”が急浮上! ワイルダー戦でのグローブが物議を醸す

THE DIGEST編集部

2020.03.03

群雄割拠のヘビー級で存在感を誇示しているフューリーに疑惑の目が向けられた。 (C) Getty Images

 王座を取り戻したチャンプにあらぬ疑いがかけられた。

 現地時間2月22日に、アメリカのラスベガスにあるMGMグランドガーデン・アリーナで行なわれたボクシングのWBC世界ヘビー級タイトルマッチで、王者のデオンテイ・ワイルダー(アメリカ)に7回1分39秒でのTKO勝ちを収めたタイソン・フューリー(イギリス)である。

 大攻勢を展開し、5回までに2度のダウンを王者から奪う好戦を演じたフューリー。試合は最終的に敵陣営からタオルが投げ込まれる形で決着したのだが、その圧倒的すぎるパフォーマンスに疑いの目が向けられている。

 SNS上で、ワイルダーのファンたちが、フューリーの拳がグローブ内に完全に収まっていなかったと主張。同陣営が試合前に中継カメラをロッカールームに一切立ち入れさせなかったこともふまえ、グローブがワイルダーの顔にかかり、戦いの邪魔をしたと強調したのだ。

 だが、突如として、湧き出た"陰謀論"にも新王者陣営は動じる様子はない。フューリーのカットマンを務めているジェイコブ・デュラントは、「事実を話そう。ネバダの運動委員会は世界最高の委員会の1つであり、我々も何かを隠すつもりはない」と話した。

「私は彼がテーピングやあらゆる検査を受けている場面を目の前で見ていた。だから、それは大きな神話に過ぎないよ。そういった戯言は払拭すべきだし、そもそも、そんなことは起こっていないよ。我々が全てのガイドラインに従っていると証明する検査官は数多くいる」

 さらに「フューリーは卑怯な手を使う男じゃない」と主張するデュラントに同調しつつ、ワイルダー・ファンの疑惑を鼻で笑ったのは、英国のプロモート会社『Matchroom Sport』の社長を務めるエディ・ハーンだ。

 アンソニー・ジョシュアなど数々の名手たちを顧客に抱える名プロモーターは、こう説いた。

「全くもって奇妙な話だよ。仮にそうだったとしてフューリー側のメリットは何だい? そんなパンチはワイルダーには当たらないよ」

 真実がどうなのかは不明だ。しかし、敗者となったワイルダーのファンが向けた疑惑が、2年ぶりに実現したフューリーとの"世紀の再戦"に水を差したのは言うまでもない。

構成●THE DIGEST編集部
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