8月16日の深夜(発走は日本時間の22時50分)、欧州最高峰のマイル戦であるジャックルマロワ賞(G1、ドーヴィル競馬場・芝1600m)が開催される。今年は日本からシックスペンス(牡5歳/美浦・田中博康厩舎)とシュトラウス(牡5歳/美浦・武井亮厩舎)の2頭が参戦し、それにともなってJRAが馬券を発売することになった。
ジャックルマロワ賞には過去、日本馬7頭が挑戦しており、1998年にはタイキシャトル(美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝。手綱をとった岡部幸雄騎手が表彰式で落涙したシーンはファンに強い印象を残した。また2003年には、勝浦正樹騎手が鞍上を務めたテレグノシス(美浦・杉浦宏昭厩舎)が低評価を覆して3着に食い込み、欧州の関係者を驚かせたこともある。
今年参戦する2頭のうち、父にキズナを持つシックスペンスは、3歳シーズンにスプリングステークス(GⅡ)と毎日王冠(GⅡ)を、4歳の昨年には中山記念(GⅡ)を制しており、今年6月の安田記念(GⅠ)でついにビッグタイトルを手にした。好位差しを得意としており、安田記念で手綱をとった武豊騎手が引き続き騎乗する。武豊騎手はこれが本レースに5回騎乗しており、直線で行われる特徴的なコースの経験も十分。最高成績は2008年にフランス調教馬のナタゴラで記録した2着である。
シュトラウスは、スプリンターズステークス(GⅠ)を制したピクシーナイトや、エリザベス女王杯(GⅠ)を勝ったジェラルディーナ、大阪杯(GⅠ)優勝のジャックドールなどを出しているモーリスの産駒。重賞勝ちは2023年の東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)のみだが、今年設立されたUAE・アブダビのアブダビゴールドカップ(L、アブダビ競馬場・芝1600m)に"マジックマン"ことジョアン・モレイラ騎手を迎えて参戦し、中団から鋭く脚を伸ばして優勝。初代チャンピオンの座に輝いて1着賞金60万米㌦(約9600万円)を得て、一躍、世界に名を知られることになった。
日本から参戦する2頭は当初、圧倒的な劣勢が伝えられていた。というのも、デビューから無敗の6連勝でマイルG1を3勝していたボウエコー、それに次ぐ存在だと見られていたグシュタードという強豪3歳勢、GⅠレースを5勝している古馬のノータブルスピーチが出走するのではないかとみられていたからである。しかし、この3頭がいずれも回避し(ボウエコーは引退)、レース展望はいきなり混戦模様になり、日本馬にもにわかに浮上の目が出てきたのだ。
とはいえ、やはり層の厚い欧州勢は強力だ。主力視されているのは英国のモアサンダー(牡5歳/W.ハガス厩舎)。重賞勝ちはG2のみだが、今春はロッキンジステークス(G1、ニューベリー競馬場・芝1600m)、クイーンアンステークス(G1、アスコット競馬場・芝1600m)で連続2着している実績は、今年のメンバーに入れば一番手に評価されるのは必然。持ち味である末脚の切れが発揮される流れになれば、一気に突き抜けてきそう。なお本馬の母の父は、日本から種牡馬として輸出されたサンデーサイレンス産駒のハットトリックである。
2番手の評価を受けるのは、アガ・カーン・スタッズが所有するフランス調教のライフ(牡3歳/F.グラファール厩舎)。キャリアはまだ5戦で、重馬場で行われた仏2000ギニー(G1、ロンシャン競馬場・芝1600m)と、稍重のフランソワブータン賞(G3、ドーヴィル競馬場・芝1400m)を制している。前哨戦のジャンプラ賞(G1、ドーヴィル競馬場・芝1400m)で5着に敗れたのは気掛かりだが、これは熱発明けの影響があってのものだと言われる。キャリアの浅さは伸びしろの大きさにもつながるもので、古馬の壁を破れば戴冠のシーンが見えてくる。
3番手に挙げられるのは、アイルランド調教のプリサイス(牝3歳/A.オブライエン厩舎)。2歳だった昨年はモイグレアスタッドステークス(G1、カラ競馬場・芝1400m)、フィリーズマイル(G1、ニューマーケット競馬場・芝1600m)、今年は愛1000ギニー(G1、カラ競馬場・芝1600m)、コロネーションステークス(G1、アスコット競馬場・芝1590m)と、G1レースで4勝を挙げている。牡馬との対戦はここが初めてとなるため評価は抑えめだが、斤量差(古馬牡馬との差4.5㎏、3歳牡馬との差1.5㎏)を活かせば好戦も可能だろう。
ライブ中継はグリーンチャンネルで無料放送(22~24時)。日本馬2頭がどこまで上位に食い込めるのか、期待を持って見守りたい。
文●三好達彦
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ジャックルマロワ賞には過去、日本馬7頭が挑戦しており、1998年にはタイキシャトル(美浦・藤沢和雄厩舎)が優勝。手綱をとった岡部幸雄騎手が表彰式で落涙したシーンはファンに強い印象を残した。また2003年には、勝浦正樹騎手が鞍上を務めたテレグノシス(美浦・杉浦宏昭厩舎)が低評価を覆して3着に食い込み、欧州の関係者を驚かせたこともある。
今年参戦する2頭のうち、父にキズナを持つシックスペンスは、3歳シーズンにスプリングステークス(GⅡ)と毎日王冠(GⅡ)を、4歳の昨年には中山記念(GⅡ)を制しており、今年6月の安田記念(GⅠ)でついにビッグタイトルを手にした。好位差しを得意としており、安田記念で手綱をとった武豊騎手が引き続き騎乗する。武豊騎手はこれが本レースに5回騎乗しており、直線で行われる特徴的なコースの経験も十分。最高成績は2008年にフランス調教馬のナタゴラで記録した2着である。
シュトラウスは、スプリンターズステークス(GⅠ)を制したピクシーナイトや、エリザベス女王杯(GⅠ)を勝ったジェラルディーナ、大阪杯(GⅠ)優勝のジャックドールなどを出しているモーリスの産駒。重賞勝ちは2023年の東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅡ)のみだが、今年設立されたUAE・アブダビのアブダビゴールドカップ(L、アブダビ競馬場・芝1600m)に"マジックマン"ことジョアン・モレイラ騎手を迎えて参戦し、中団から鋭く脚を伸ばして優勝。初代チャンピオンの座に輝いて1着賞金60万米㌦(約9600万円)を得て、一躍、世界に名を知られることになった。
日本から参戦する2頭は当初、圧倒的な劣勢が伝えられていた。というのも、デビューから無敗の6連勝でマイルG1を3勝していたボウエコー、それに次ぐ存在だと見られていたグシュタードという強豪3歳勢、GⅠレースを5勝している古馬のノータブルスピーチが出走するのではないかとみられていたからである。しかし、この3頭がいずれも回避し(ボウエコーは引退)、レース展望はいきなり混戦模様になり、日本馬にもにわかに浮上の目が出てきたのだ。
とはいえ、やはり層の厚い欧州勢は強力だ。主力視されているのは英国のモアサンダー(牡5歳/W.ハガス厩舎)。重賞勝ちはG2のみだが、今春はロッキンジステークス(G1、ニューベリー競馬場・芝1600m)、クイーンアンステークス(G1、アスコット競馬場・芝1600m)で連続2着している実績は、今年のメンバーに入れば一番手に評価されるのは必然。持ち味である末脚の切れが発揮される流れになれば、一気に突き抜けてきそう。なお本馬の母の父は、日本から種牡馬として輸出されたサンデーサイレンス産駒のハットトリックである。
2番手の評価を受けるのは、アガ・カーン・スタッズが所有するフランス調教のライフ(牡3歳/F.グラファール厩舎)。キャリアはまだ5戦で、重馬場で行われた仏2000ギニー(G1、ロンシャン競馬場・芝1600m)と、稍重のフランソワブータン賞(G3、ドーヴィル競馬場・芝1400m)を制している。前哨戦のジャンプラ賞(G1、ドーヴィル競馬場・芝1400m)で5着に敗れたのは気掛かりだが、これは熱発明けの影響があってのものだと言われる。キャリアの浅さは伸びしろの大きさにもつながるもので、古馬の壁を破れば戴冠のシーンが見えてくる。
3番手に挙げられるのは、アイルランド調教のプリサイス(牝3歳/A.オブライエン厩舎)。2歳だった昨年はモイグレアスタッドステークス(G1、カラ競馬場・芝1400m)、フィリーズマイル(G1、ニューマーケット競馬場・芝1600m)、今年は愛1000ギニー(G1、カラ競馬場・芝1600m)、コロネーションステークス(G1、アスコット競馬場・芝1590m)と、G1レースで4勝を挙げている。牡馬との対戦はここが初めてとなるため評価は抑えめだが、斤量差(古馬牡馬との差4.5㎏、3歳牡馬との差1.5㎏)を活かせば好戦も可能だろう。
ライブ中継はグリーンチャンネルで無料放送(22~24時)。日本馬2頭がどこまで上位に食い込めるのか、期待を持って見守りたい。
文●三好達彦
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