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体操

「3年前はアジア大会の記者、3年後には…」中国体操の“52年の記録”を止めた日本女子27歳の復活劇に中国メディアも大注目

THE DIGEST編集部

2026.09.23

体操女子個人総合を制した杉原。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

体操女子個人総合を制した杉原。写真:梅月智史(THE DIGEST写真部)

 一度は競技の第一線を離れながら、再び大舞台で輝きを放った27歳の日本女子にライバル国のメディアも注目している。

 9月22日に行なわれた名古屋・愛知アジア大会の体操女子個人総合で金メダルを獲得した杉原愛子。日本女子体操にとって同種目で初めてとなるアジア大会の頂点に立った。中国メディア『澎湃新聞』も、東京五輪後に一度競技の第一線を離れた杉原の歩みを紹介し、その復活劇にスポットライトを当てている。
 
 杉原は東京五輪後、左膝の手術を受けたことなどもあり、2022年6月に22歳で第一線から離れた。ただし、本人は「引退」という言葉を使わず、自らの競技人生に「一区切り」をつけた。競技を離れた後も、若手選手の指導や審判の勉強、解説、試合の取材など、さまざまな立場から体操と関わり続けた。

『澎湃新聞』は、その間の彼女の活動として象徴的ともいえるのが、2023年の杭州アジア大会だったとしている。杉原は日本代表選手としてではなく、記者として現地入り。かつて自分が立っていた日本代表の選手たちを、今度は観客席から見つめ、取材する立場になった。

 ところが、そこで杉原の胸に再び芽生えたのが、「もう一度、日本のユニホームを着たい」という思いだった。大会後もその気持ちは消えず、同年11月には日本代表復帰とパリ五輪出場を目指すことを公表。同メディアは、杉原が「何もしないで後悔するより、もう一度挑戦したい」と決意した、と伝えている。

 パリ五輪への道は厳しく、2024年の代表選考では敗れ、涙を流した杉原。それでも「引退は考えていない」と明言し、競技を続行。その後、25歳でNHK杯の女子個人総合を10年ぶりに制すると、2025年には世界選手権の女子ゆかでも金メダルを獲得する。

 そして2026年、再び日本代表入りを果たし、今度は選手としてアジア大会の舞台へ。かつて記者として見つめた大会で、ついに自らが金メダルを手にした。

『澎湃新聞』は「3年前はアジア大会の記者、3年後には中国体操の52年の記録を終わらせた」と杉原の歩みを表現。1974年の初参加以来、中国が守り続けてきた女子個人総合の金メダルを、杉原が初めて日本にもたらしたことを強調している。

 27歳でたどり着いた、初めてのアジア大会女王。記事の最後には、代表復帰を果たした際に杉原がSNSへ記した「やっぱり、体操は楽しい」という言葉も紹介されている。

 引退を選ばず、一度は記者として競技を見つめ直したからこそたどり着いた金メダル――。中国メディアも、その長い復活の道のりに大きな価値を見出している。

構成●THE DIGEST編集部

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