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人類最速ボルトが東京五輪出場を否定。「文句を言う元アスリートになるつもりはない」カール・ルイスにキツイ一言

THE DIGEST編集部

2020.05.30

現在はビジネスマンとしても活躍するボルト氏は、東京五輪への出場意思がないことを語った。(C)Getty Images

現在はビジネスマンとしても活躍するボルト氏は、東京五輪への出場意思がないことを語った。(C)Getty Images

 元陸上競技の男子短距離選手で数々の記録を樹立した“人類最速の男”ウサイン・ボルト氏が、近況、噂される東京五輪への出場や、因縁の相手カール・ルイス氏の発言について、『ガゼッタ デッロ スポルト』に答えた内容を『EUROSPORTイタリア』が伝えている。

 男子短距離100mと200mの世界記録保持者ボルト氏は、まず、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、ロックダウン中の母国ジャマイカについて、「深刻な状況にある多くの国々と比べ、感染者や死亡者は少ないんだ」とコメント。

「他国と同様に学校は休校、出勤を控えてテレワーク、スポーツ界も延期や中止が続いている。個人的には、海外での写真撮影やイベントなど4月と5月はたくさんの予定が入っていたが、夏以降に変更となったよ」と語った。新型コロナウイルス終結には、「今は規制を遵守して、政府の指示や助言に従うこと」と、世界中の人々へ呼びかけた。

 オリンピックで通算8個の金メダル獲得したボルト氏は、2021年開催予定の東京五輪に出場するのでは、との噂について、「そんな憶測が出ているとは…知らなかったよ。東京五輪に出場するために現役復帰する。それは、一度も考えたことがないよ。開催が2021年になったけれど、考えは変わらない。僕は引退後の人生を楽しんでいるんだ」とコメントした。

 先日、パートナーであるカシー・ベネットさんとの間に第1子となる女の子を授かり、父親となったボルト氏。現役引退後はサッカー選手を目指した時期もあったが、現在は日本・米国・フランスで電動キックボード事業を展開してビジネス界に参入するなど、その生活は充実しているようだ。
 
 ボルト氏は、2008年北京五輪の100mと200mで世界新記録を叩き出して、金メダルを獲得した。世界にその名を知らしめたこの活躍の直後、陸上競技で一時代を築いたカール・ルイス氏が、当時、ジャマイカ国内のドーピング検査に疑問を呈したり、金メダリストの実力を疑うコメントをしたことで、ボルト氏が憤慨。以降もルイス氏の辛辣な評価は続いたが、ボルト氏は2012年ロンドン大会、さらに2016年リオデジャネイロ大会とオリンピック3大会連続で金メダル獲得の快挙を果たした。

 5月始め、ルイス氏はSNS上で、パンデミックの影響により今後、避けられないスポーツ界の変化に際し、現状のファイナンシャル形態の見直しを提案。各競技の協会および登録選手数について話し合う必要があると投稿した。

 この発言に意見を求められたボルト氏は、内容に関しての直接的なコメントはせず、「自分の過去を引き合いに出して、あらゆることに文句を言う元アスリートになるつもりはない。全ての規律は、時代の変化とともに進化するもの。リアクションすべきは、正しいことに対しての賛同、そして、アスリート、観客やメディア、なによりも陸上界にとって必要なことに向けてなんだ」とコメント。因縁の相手へ手厳しい言葉を投げかけた。

 ボルト氏は、母国ジャマイカの恵まれない子どもたちのために基金を設立。同国で新型コロナウイルス感染防止のための支援活動も行なっている。

構成●THE DIGEST編集部

【画像】Twitterに投稿したボルト流"ソーシャルディスタンス"
 
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