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ゴルフ

宮里藍以来の快挙を達成した吉田優利。「考え方に芯がある」逸材が、17歳で定めたキャリア設計【プラチナ世代の歩み】

山西英希

2020.06.13

同世代からの評価も高い吉田(写真)。古江は「考え方に芯があるというか、誰にでも自分の意見をはっきりと言いますね」と評した。(C)Getty Images

同世代からの評価も高い吉田(写真)。古江は「考え方に芯があるというか、誰にでも自分の意見をはっきりと言いますね」と評した。(C)Getty Images

 18年に日本女子アマと日本ジュニアを制したプラチナ世代の吉田優利。同一年に2つのタイトルを獲得したのは、03年の宮里藍以来、史上3人目の快挙となった。どちらも最終的に2位に1打差で逃げ切っているが、最終日のバック9で一時は逆転されながらの再逆転Ⅴだけに、吉田の勝負強さを改めて認識させられた大会だった。

 吉田がゴルフを始めたのは10歳のときで、父親である英隆さんの影響を受けたのが理由だ。小6の時には関東小学生ゴルフ大会で優勝し、世界ジュニアゴルフ選手権でも27位に入っている。中学でも地元・千葉県の大会や関東大会、全国大会でも上位に入り、トップジュニアに成長する。麗澤高校に進学後は、17年の全国高校ゴルフ選手権・団体戦で古江彩佳、安田祐香を擁する滝川二高に一歩及ばなかったものの、チームを準優勝に導いた原動力となった。個人戦でもナショナルチームに選出されると、海外の試合で結果を残している。
 
 高校を卒業した昨年は、5月に行われた国内女子ツアーの公式戦・ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで、予選ラウンドを2位タイでフィニッシュ。決勝ラウンドをこの試合でツアー初優勝を飾った渋野日向子、ペ・ソンウと最終組で争い、注目を浴びた。プレッシャーのかかるラウンドにもかかわらず、4位タイに踏み止まったのは立派だろう。それでも「2人に比べるとパット力が欠けていることに気がつきました」と反省を忘れなかった。

 その3週後に開催された全米女子オープンでの活躍も期待されたが、左手親指の故障もあり、予選落ちしたことは今でも悔いが残る。しかも、大会後はしばらく痛みが消えず、2か月近くもクラブを握れなかったのは誤算だった。競技にも出場できず、一時はプロテストへの影響も心配されたが、昨年から制度が変わり、最終テストの開催時期が7月から11月に移行。そのおかげで本番に間に合わせることができ、12位タイで合格した。ある意味強運とも言えるが、その後の最終予選会で20位となり、今季前半戦の出場権を得たのは間違いなく吉田の実力だ。
 

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