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ゴルフ

宮里藍以来の快挙を達成した吉田優利。「考え方に芯がある」逸材が、17歳で定めたキャリア設計【プラチナ世代の歩み】

山西英希

2020.06.13

 高2のときからコーチを務める辻村明志氏と言えば、上田桃子を始め、小祝さくら、永井花奈、松森彩夏らを指導しているが、アマチュアのときにコーチを引き受けたのは小祝と吉田だけだ。

「もしも吉田さんからプロになりたい、シード選手になりたいという理由でコーチを頼まれていたら断っていました。その程度の夢には付き合いたくありませんからね。でも、当時17歳だった彼女は明確な目標を持っていたんです」と辻村氏。プロテスト合格やシード獲得で留まらず、ツアー優勝、賞金女王、米女子ツアー挑戦まで自分の中で描いていた。しかも何歳でという期限付きだ。ちなみに、米女子ツアーは23歳の予定だ。「目標を達成するためには何が必要で、どのような練習をしなければいけないのかまで話してくれました。さすがに、そういう考えだったら喜んでお手伝いさせてほしいと思ったんです」。

 指導経験豊富な辻村氏にしてみれば、吉田が立てた目標を達成するには、このぐらいのレベルには到達してほしいというイメージがある。まずは飛距離を伸ばすことを目的とし、プロテストに合格後は、トレーニングや体の使い方を徹底的に指導した。「以前と比べると、現在はヘッドスピードが1・5(m/s)ほど上がりましたね。おかげで大きなキャリーボールを打てるようになりました」と辻村氏。また、吉田の場合、技術的なレッスンをすると、言われた通りにするのではなく、一度自分の中で変換して頭の中で理解してから実践するため、身につくスピードも速いのが特徴だと言う。
 
 プラチナ世代からも吉田に対する評価は高い。「考え方に芯があるというか、誰にでも自分の意見をはっきりと言いますね。自分にはない部分なので、すごいと思いますし、うらやましいです」と古江が言えば、安田も「スイングが好きですね。本当にカッコイイと思います」と褒めたたえる。今季はシード権獲得が目標になるが、「もしもいい位置で最終日を迎えることができたなら、積極的に優勝を狙いにいきます」と、柔軟に対応するつもりだ。昨年はケガ、今季は新型コロナによる試合中止で大好きなゴルフを我慢した分、ツアーがスタートしたら大暴れをしたいところだ。

取材・文●山西英希

著者プロフィール/平成元年、出版社に入社し、ゴルフ雑誌編集部所属となる。主にレッスン、観戦記などのトーナメントの取材を担当。2000年に独立し、米PGAツアー、2007年から再び国内男子、女子ツアーを中心に取材する。現在はゴルフ雑誌、ネットを中心に寄稿する。

【PHOTO】安田祐香、吉田優利、古江彩佳…黄金世代に続く大注目の“プラチナ世代”を一挙紹介!

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