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ゴルフ

“沸かせる力“を備えた小さな巨人。西村優菜の大暴れに高まる期待【プラチナ世代の歩み】

山西英希

2020.06.14

ここ一番での爆発力がある西村(写真)は、同世代の後藤から「いい意味で大きなゴルフをする」と評される。(C)Getty Images

ここ一番での爆発力がある西村(写真)は、同世代の後藤から「いい意味で大きなゴルフをする」と評される。(C)Getty Images

 中学時代に全国中学校ゴルフ選手権で5位タイ、日本ジュニアで6位に入ってはいるが、西村優菜が飛躍したのは、高校に進学してからだろう。高1だった16年6月に開催された全日本女子パブリックアマで2位以下に4打をつけて優勝を飾ると、2週後の日本女子アマでも7位タイに入る。その資格で日本女子オープンにも初出場できることになったが、本戦ではなんと17歳の畑岡奈紗がアマチュアとして初めて優勝を飾り、大きな話題を呼んだ。

 実は3日目を終えて首位に立っていたのは西村と同い年の長野未祈だった。それこそ史上初のアマチュア優勝かと騒がれたが、最終日にスコアを崩して10位タイに終わる。畑岡、長野の陰に隠れて目立たなかったものの、西村は通算イーブンパーで回り、6位タイに滑り込んでいたのだ。例年ならローアマになってもおかしくない成績だが、畑岡にアマチュア優勝を飾られてしまっては仕方がない。それでもこの活躍が、翌年からナショナルチームに入るきっかけにはなった。

「ナショナルチームでは、ガレス・ジョーンズコーチからコースマネジメントを教わったことで、ミスの範囲が広くなり、楽にプレーできるようになりました」と、西村。具体的に言えば、難しいところにパーオンするぐらいなら、グリーンを外したほうがパーセーブしやすいとか、たとえピンの近くでも下りの曲がるラインにつけるより、距離が遠くてもいいから上りの真っすぐなラインを残したほうがカップインの確率は高いという内容だ。
 
 コースに対する見方が変わったことで、西村のゴルフはさらに磨かれる。17年はネイバーズトロフィチーム選手権の日本代表に選ばれ、チームの2年ぶり7度目の優勝に貢献。個人戦でも2位に入った。同年の日本ジュニアでは最終日を首位と7打差の8位タイでスタートしながら猛チャージで1打差の2位タイにまで順位を上げた。

 18年以降もナショナルチームの団体戦や海外の招待試合で優勝を重ねるなど順調に結果を残してきた。昨年受けたプロテストではトップと1打差の2位タイで合格すると、最終予選会では21位に入って今季前半戦の出場権を得た。3日目を終えて48位タイと低迷していたが、最終日に67をマークして順位を上げるあたり、メンタルが相当強いのだろう。
 

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