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ラグビー

「W杯に強い」オーストラリアを安定感抜群のウェールズが上回る【大西将太郎のラグビーW杯展望|プールD】

大西将太郎

2019.09.19

世界1位のウェールズ(左端)、オーストラリア(中上)、ジョージア(右上)、ウルグアイ(中下)フィジー(右下)が名を連ねる。(C)Getty Images

世界1位のウェールズ(左端)、オーストラリア(中上)、ジョージア(右上)、ウルグアイ(中下)フィジー(右下)が名を連ねる。(C)Getty Images

 世界ランキング1位のウェールズと6位のオーストラリアが同居。10位フィジー、12位ジョージア、19位ウルグアイと個性豊かなグループとなりました。

 準優勝した前回大会以降、なかなか調子が上がらなかったオーストラリアですが、さすがに「W杯に強い」と言われる国だけあって、しっかりと本番に合わせてきましたね。8月10日には宿敵NZに快勝。この試合で奪った47得点は、対NZ戦の最多得点記録でした(47-26)。1週間後の再戦で完敗を喫した(0-36)とはいえ、試行錯誤を繰り返しながら、ようやく最適なメンバーの組み合わせを見出しつつあるようです。まだ「完璧」とは言えませんが、伝統的に高い戦術遂行力を誇る国だけに、8強入りは堅いでしょう。


 ただし、このプールの本命は今年のシックスネーションズ・カップを全勝で制したウェールズ。前回大会から継続的な強化を図りつつ、若い世代の台頭もあって、総合力は確実に上がっています。193センチ・109キロの巨漢ながらスピードもあるWTBのノースなど優れたタレントもいますが、特定の個に依存しないチームだけに、非常に安定感があります。「ウェールズの象徴」とも言うべきキャプテンのジョーンズを中心としたラグビーは、攻守にこれといった穴が見当たりません。
 ウェールズとオーストラリアの2強が順当にプール戦を突破すると予想しますが、ここに割って入る可能性がわずかにあるとすれば、フィジーでしょうか。7月の日本戦は、ヨーロッパのクラブに在籍する選手たちが久々に集まったこともあって、個々がバラバラにプレーしているような印象を受けました。それでも本番までに組織力を高め、得意のパスをつなぐラグビーができるようになれば、もっと怖い存在になれると思います。

 スクラムの強さが自慢のジョージア、近年急成長中のウルグアイも好チームです。とはいえ、このプールではさすがに厳しいでしょうね。まずは「1勝」が彼らの目標になります。

■ 大西将太郎氏の予想
◎本命 ウェールズ
○対抗 オーストラリア
△穴 フィジー

解説●大西将太郎 取材・構成●吉田治良(スポーツライター)
※世界ランキングは2019年8月26日発表分

【解説者プロフィール】
大西将太郎/おおにし・しょうたろう 1978年11月18日生まれ。大阪府東大阪市出身。現役時代はCTBとSOをこなせる万能型のバックスで、キックの名手としても知られた。ジャパンラグビートップリーグ(リーグ戦)で通算143試合に出場。07-08年シーズンに「ベスト15」、「得点王」、「ベストキッカー賞」の三冠に輝いた。日本代表には同志社大4年時(00年)に初選出され、通算33キャップ・71得点。 16年の現役引退後は、同志社大や立命館大でバックスコーチを務める。現在は解説者として活躍している。
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