テレビ中継の日程や見どころなど、アジア初開催のラグビーワールドカップを楽しむための観戦ガイドをまとめた。
目次
1 ラグビーワールドカップの放送スケジュールは?
2 ラグビーワールドカップの組み分け&レギュレーションは?
3 ラグビーワールドカップの見どころは?
4 日本代表の実力は?
5 ラグビーワールドカップの注目選手は?
【ラグビーワールドカップ2019の放送スケジュール】
ワールドカップ2019の日本での放映権は
・日本テレビ
・NHK
・J SPORTS
この3局が取得しており、このうち有料放送のJ SPORTSは予選・決勝トーナメント全試合放送、NHKは総合とBS1で放送する。スケジュールは以下の通りだ。
【日本テレビ・NHK生放送日程】
●プール戦
9月20日(金)
19:45~ 日本VSロシア NHKBS1、日テレ
9月21日(土)
13:45~ オーストラリアVSフィジー NHK総合
16:15~ フランスVSアルゼンチン 日テレ
18:45~ ニュージーランド VS 南アフリカ 日テレ
9月22日(日)
16:45~ アイルランドVSスコットランド 日テレ
19:15~ イングランドVSトンガ NHKBS1
9月23日(月)
19:15~ ウェールズVSジョージア NHKBS1
9月26日(木)
19:45~ イングランドVSアメリカ 日テレ
9月28日(土)
13:45~ アルゼンチンVSトンガ NHKBS1
16:15~ 日本VSアイルランド NHK総合
9月29日(日)
16:45~ オーストラリアVSウェールズ 日テレ
9月30日(月)
19:15~ スコットランドVSサモア 日テレ
10月2日(水)
19:15~ ニュージーランド VS カナダ NHKBS1
10月4日(金)
18:45~ 南アフリカVSイタリア 日テレ
10月5日(土)
17:00~ イングランドVSアルゼンチン 日テレ
19:30~ 日本VSサモア 日テレ
10月6日(日)
13:45~ ニュージーランドVSナミビア 日テレ
10月9日(水)
16:15~ スコットランドVSロシア 日テレ
10月12日(土)
13:45~ ニュージーランドVSイタリア 日テレ
17:15~ イングランドVSフランス NHKBS1
19:45~ アイルランドVSサモア NHK総合
10月13日(日)
12:15~ ナミビアVSカナダ 日テレ
19:45~ 日本VSスコットランド 日テレ
●決勝トーナメント
10月19日(土)
16:15~ プールC1位VSプールD2位 NHKBS1
19:15~ プールB1位VSプールA2位 日テレ
10月20日(日)
16:15~ プールD1位VSプールC2位 日テレ
19:15~ プールA1位VSプールB2位 NHKBS1
10月26日(土)
17:00~ 準決勝① 日テレ・NHKBS1
10月27日(日)
18:00~ 準決勝② 日テレ
11月1日(金)
18:00~ 3位決定戦 NHKBS1
11月2日(土)
18:00~ 決勝 日テレ・NHKBS1
※時間はすべてキックオフ時間。日本が決勝トーナメントに進出した場合、日テレは日本戦全試合生放送
【ラグビーワールドカップの組み分け&レギュレーションは?】
ワールドカップは出場20か国が4つのプールに分かれて予選を行なう。勝点が多い各プール上位2チームが準々決勝に進み、決勝トーナメントを戦う。
プールA
・アイルランド(4位)
・スコットランド(7位)
・日本(9位)
・ロシア(20位)
・サモア(17位)
プールB
・ニュージーランド(2位)
・南アメリカ(5位)
・イタリア(13位)
・ナミビア(23位)
・カナダ(21位)
プールC
・イングランド(3位)
・フランス(8位)
・アルゼンチン(11位)
・アメリカ(14位)
・トンガ(15位)
プールD
・オーストラリア(6位)
・ウェールズ(1位)
・ジョージア(12位)
・フィジー(10位)
・ウルグアイ(19位)
※( )の順位は世界ランキング
勝点の加算法は、勝利:4ポイント、引き分け:2ポイント、敗戦:0ポイント。さらに、ボーナスポイントとして、トライ数が4以上で1ポイント(勝敗に関わらず加算される)。7点差以内の敗戦で1ポイントが入る。
【順位の決定方法】
勝点が同じチームがふたつ以上ある場合は以下の順番で比較し、順位を決定する。
1.直接対決の勝者
2.得失点差
3.トライ差数(トライ数-被トライ数)
4.得点数
5.トライ数
これでも決まらない場合は抽選となる。
【ラグビーワールドカップ2019の見どころ】
今大会はオールブラックス(ニュージーランド代表)が史上初の3連覇を達成するかに注目が集まっている。「ラグビーは最も番狂わせが起きにくいスポーツ」と言われ、近年の勝率が約9割を誇る彼らが優勝候補であるのは間違いないだろう。
ただ、その牙城を崩す筆頭と期待されているのがウェールズだ。
2019年ワールドカップイヤーのシックス・ネーションズ(ウェールズ、イングランド、スコットランド、アイルランド、フランス、イタリアのか6か国)で全勝優勝を成し遂げたウェールズは、W杯前の世界ランキングで1位に躍り出た。重要な得点源だったキッカーのSOアンスコムが重傷を負い欠場を余儀なくされたのは痛いが、それでもチームの完成度は抜群だ。
ウェールズに続く有力候補はアイルランドと南アフリカが挙げられる。
世界ランキング4位のアイルランドは2018年11月にオールブラックスを16-9で破り、2016年に対戦した際にはオールブラックスのテストマッチ18連勝にストップをかけたチームでもある。超強力フォワードと2018年の世界最優秀選手に選ばれたジョナサン・セクストンのゲームメイクで優勝を目指す。
南アフリカは前回のワールドカップ以降、成績は下降気味ではあったが、昨年新体制となってからは復調の兆しを見せている。ラグビーチャンピオンシップ2018(ニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、アルゼンチンの南半球4か国対抗戦)では、唯一オールブラックスに勝利した。
南アフリカの世界最大級のFW陣が同じプールのニュージーランド戦で力を発揮すれば勢いに乗る可能性がある。
【日本代表の見どころ】
ワールドカップ第1回大会から8回連続で出場している日本代表ではあるが、1~7回大会までのトータルは1勝21敗2分けと散々な成績であった。
前回2015年のワールドカップではワールドカップで2度の優勝経験を持つ格上の南アフリカから歴史的金星を挙げ、予選プールで3勝したものの、勝点の差で決勝トーナメントに進出はできなかった。今度こそは決勝トーナメントに勝ち進めるかが注目されている。
同じプール内のランキングを見ると9位の日本はロシア(20位)とサモア(16位)よりも上だ。もちろん簡単に勝てる相手ではないが、決勝トーナメントに行くためには、この2戦は確実に勝っておきたい。
ポイントとなるのはプール最終戦でぶつかるスコットランド戦だろう。前回のワールドカップでもプール戦で対戦し唯一の黒星を喫している。
今回は10月13日の最終戦で当たるが、日本が10月5日のサモア戦から1週間以上間が空くのに対して、スコットランドは9日のサモア戦から中3日での対戦となるため、コンディション的には日本が有利だ。
アジア初の開催国として、まずは予選を突破してベスト8に進出し、決勝トーナメントでの活躍を期待したい。
【大会注目選手】
●姫野和樹(日本)
ジェイミー・ジャパンの注目選手といえば、前回のワールドカップでも活躍したリーチ・マイケルや松島幸太朗などが挙げられるが、この1年で一気にスターダムにのし上がったのが姫野和樹だ。
187センチ、108キロという恵まれた身体で、ベンチプレスも最高180キロを上げる姫野は、外国人選手に引けをとらないフィジカルや、フィットネス(走力や持久力)の高さが評価されている。
帝京大では4年連続日本一を経験し、加入したトヨタ自動車ヴェルブリッツでは2007年のW杯で南アフリカを優勝に導いたジェイク・ホワイト監督から、わずか1か月でキャプテンに指名された。
さらにトップリーグ新人賞を獲得、フランカーとしてベストフィフティーンを受賞し、「スーパーラグビー」に参加するプロチームのサンウルブズにではチーム内で最も活躍した新人選手にも選出されている。
スピードとパワーを兼ね備えるだけでなく、日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチも「彼は将来の日本ラグビーのリーダーだ」と高い評価をしている。
●ボーデン・バレッド(ニュージーランド)
ワールドカップ3連覇を目指すニュージーランド「オールブラックス」の注目選手は世界屈指のスタンドオフであるボーデン・バレッドだ。キックを交えたゲームコントロールや正確なパスだけでなく、ディフェンスを抜き去るスピードも世界屈指で2016、2017年と2年連続で世界最優秀選手に選ばれている
●ジョナサン・セクストン(アイルランド)
日本代表と対戦するアイルランドの注目選手はSOのジョナサン・セクストン。パス、ラン、キックを自由自在に使いこなしてディフェンスを翻弄し、2018年の世界最優秀選手にも選ばれたゲームメーカーだ。状況判断力も抜群で強力フォワードとスキルフルなバックスを効果的に使い分ける。
●スチュアート・ホッグ(スコットランド)
日本代表と同組で前回のワールドカップでも対戦したスコットランドの注目選手は欧州最高のFBと言われているスチュアート・ホッグ。シックスネーションズ(欧州6か国対抗戦)では2016、17と連続でプレーヤー・オブ・ザ・トーナメント(最優秀選手)に選ばれた。スピードが武器でコンタクトも強く、鋭いステップで相手を翻弄する姿はスタンドを大いに沸かせる。
●マルコム・マークス(南アフリカ)
2度ワールドカップで優勝している南アフリカの注目選手は世界最高HOと呼び声高いマルコム・マークス。驚異的なパワーとスピードで突進し、力強いボールキャリーやタックルで相手を翻弄する姿は必見。今年6月にはジャパンラグビートップリーグのNTTコミュニケーションズ「シャイニングアークス」への入団が決まっている。
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文●渡辺敏史