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ラグビー

大西将太郎がロシア戦を斬る!「勝点5という結果は満点だが、8強を見据えるならキック処理の修正は不可欠」

大西将太郎

2019.09.21

ロシア戦の前半は緊張もあってぎこちないプレーが続いたが、粘り強く

ロシア戦の前半は緊張もあってぎこちないプレーが続いたが、粘り強く"我慢"してきっちりと勝ちきった。写真:茂木あきら(THE DIGEST写真部)

[ラグビーW杯]日本30-10ロシア/9月20日/東京スタジアム

 大きなプレッシャーのかかる開幕戦で30-10の勝利。4トライを奪ってボーナスポイントも獲得したロシア戦は、満点の結果と言っていいでしょう。

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 もちろん、日本がパーフェクトなパフォーマンスを披露したわけではありません。ミスは多かったし、先制点もロシアに与えました。ただ、誰も想像できないプレッシャーのなかで、しっかりと結果を出したのは本当に素晴らしい。自国開催の開幕戦という特別な緊張感は、実際にピッチに立っている選手たちにしか分かりませんからね。我々のような代表経験者でも、まったく想像できない別次元のモノです。

 前半の立ち上がりは、そのプレッシャーがナーバスな状態を生み出し、日本本来の力を出せませんでした。開幕戦の雰囲気、空気感に入り込めなかったんだと思います。

 対するロシアは失うものは何もありませんし、日本戦だけに焦点を当ててきていたので、非常に良いモチベーションで挑んできました。その結果、日本のキック処理のミスに乗じて先制点も手に入れています。2019年大会のファーストトライを決めたという事実が、彼らの背中を押したのは想像に難くありません。
 一方、日本は先制された後もミスが続き、なかなか流れに乗れませんでした。ともすれば、雰囲気に呑まれて大崩れし、そのまま試合が終わってしまう可能性もあったと思います。

 しかし、日本はそこでズルズルと行かずに立て直しました。やはり、2015年のワールドカップ以降に参加した、スーパーラグビーの経験が生きたんだと思います。大歓声のなかでプレーした経験、タフな試合で逆転勝ちした経験、強豪が集まるスーパーラグビーでのすべての経験が、選手一人ひとりを成長させたんです。

 そういった選手が集まった今回の日本代表は、みんながリーダーシップを取れるので、パニックにならずに前半を上手くしのげました。ここが試合の肝でしたね。

 前半のうちに逆転に成功した日本は、後半にボールを保持する戦術に変更し、それが機能しました。結果的に前後半で4トライしてボーナスポイントも取れたのは、何よりの収穫でしょう。4年前のワールドカップでは、3勝しながらもボーナスポイントが取れなかったために決勝トーナメント進出を逃しています。日本はボーナスポイントの大事さを痛いほど理解していますから、勝利の勝点4に加え、ボーナスポイントの1も獲れたのは、大きな手応えになったと思います。

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