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モータースポーツ

「タカからの素敵なジェスチャー」「尊敬に値する」MotoGP公式が“最も強い印象を与えた光景”に中上貴晶を選出

甘利隆

2020.09.24

ミサノのレース後、ガードレール前で手を合わせる中上の映像をMotoGPが発信。多くの人の心を打った。(C)Getty Images

ミサノのレース後、ガードレール前で手を合わせる中上の映像をMotoGPが発信。多くの人の心を打った。(C)Getty Images

 イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリにて2週連続の開催となったエミリア・ロマーニャGPは、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP)が今季初優勝。ヴァレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハ・MotoGP)の転倒やジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)のオーバーテイク等、印象的な場面も多かったが、MotoGP公式Twitterは、“今日見た中で最も強い印象を与えた光景”として、中上貴晶(LCRホンダ・出光)のあるシーンを挙げた。

「レース終了後、タカ中上は富沢祥也との時間をたくさん過ごした」とコメントがつけられた動画には、チェッカーを受けた後のクールダウンラップを周回する中上が、富沢がこの世を去る原因となったアクシデントが起きたコーナー近くのガードレールにマシンを停め、祈りを捧げる場面が収められている。そして最後に両手でガードレールにタッチして“親友”と挨拶を交わし、再び愛機RC213Vに跨がり、走り去った。

 中上はレースウィーク始めにも同じ場所を訪れ、「またレース後に行くね」」と自身のTwitterに書き込んでおり、その約束を果たしたのだろう。また、レース後には「また来年ねー」と富沢に向けたメッセージを投稿している。

 このMotoGP公式のツイートには「人間の価値は不変です。タカ中上のこのような態度は尊敬に値します」「タカからの素敵なジェスチャー。ショーヤは日本で最高のライダーの1人であり、シッチ(2011年にレース中の事故によって死亡したマルコ・シモンチェリの愛称)とよく似たアグレッシブで素晴らしいライダーでした」「これは彼らの同胞に対する敬意と愛であり、日本文化はあまりにも多く美しいものを持っています」「ショーヤ、私たちはあなたの笑顔が恋しいです」等のコメントが世界各国から寄せられた。
 
 レース直前のミサノでの公式テストで好タイムを記録した中上は、初日のフリープラクティスでも2番手。フリープラクティスの総合上位10名のみが進める予選Q2にもダイレクトで進出するが、肝心のQ2では、チームが間違えてフロントにハードタイヤを装着したこともあって転倒を喫し、予選は12位。

 決勝レースでは一時14番手まで順位を落とすものの、すぐに挽回し、ヨハン・ザルコ(レアーレ・アビンティア・レーシング・ドゥカティ)、ダニーロ・ペトルッチ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)をパス。ランキング首位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ミッション・ウィノウ・ドゥカティ)も仕留め、終盤にはアレックス・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)も抜き、ホンダ勢最上位の6位でフィニッシュした。

 スペイン・バルセロナのモンメロに住む中上にとって、バルセロナ・カタルニア・サーキットで行なわれる次戦カタルニアGPは準地元。次こそは表彰台の晴れ姿を“親友”にも見せたいことろだ。

文●甘利隆
著者プロフィール/東京造形大学デザイン科卒業。都内デザイン事務所、『サイクルサウンズ』編集部、広告代理店等を経てフリーランス。Twitter:ama_super

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