チームとしての総合力が結果に直結するラグビーは、「もっとも番狂わせが起こりにくいスポーツ」と呼ばれる。
だからこそ、それまでワールドカップでわずか1勝の"弱小国"日本が、優勝2回を誇る南アフリカという“巨人”を倒した4年前の一戦は、「史上空前のジャイアントキリング」として、いまもなお世界中で語り継がれているのだ。
ラグビーの世界ランキングは、例えばサッカーのFIFAランキングと比べて、はるかに正しくその実力差を反映する。最新のランキングで20位のロシアにとって、10位の日本は明らかな格上。しかも相手はホストカントリーである。仮にロシアが日本を打ち負かしたとすれば、それは大げさではなく、4年前に日本が起こした奇跡に匹敵した。
「格下だし、絶対に勝たなきゃいけないし、できれば(ボーナスポイント1が得られる4トライ以上を挙げて)5ポイントを取りたかった」 SOの田村優は、そんな想いを持ってロシア戦を迎えたが、自国開催のワールドカップ、しかも勝利が必須の開幕戦というプレッシャーは、田村のみならずジャパンの面々にとって、想像を絶するものだったようだ。目に見えるほどの緊張感をまとってキックオフの笛を聞いた桜の戦士たちは、明らかに浮足立っていた。
これが3度目のワールドカップとなる百戦錬磨のキャプテン、リーチ・マイケルが目測を誤り、キックオフのボールをキャッチできない。後方に逸らしたボールを、これがワールドカップ初出場で、試合前の国歌斉唱ではこみ上げる涙を抑えきれなかったNO8の姫野和樹がノックオン。いきなり自陣深くに押し込まれる。
「ファーストプレーでああいうミスをしてしまうと、流れを一気に持っていかれる。僕を含めてワールドカップを経験したことがない選手も多くいたので、最初は(開幕戦の)雰囲気にチーム全体が飲み込まれてしまった」
試合後、姫野は反省の言葉を口にしたが、ミスの連鎖は簡単には止まらなかった。インゴールからの田村のキックをチャージされ、冷や汗をかいた直後の5分だった。ロシアのFBヴァシリー・アルテミエフが高く蹴り上げたボールを、日本のFBウィリアム・トゥポウが落球。これを拾われ、WTBキリル・ゴロスニツキーに先制のトライを許すのだ。
だからこそ、それまでワールドカップでわずか1勝の"弱小国"日本が、優勝2回を誇る南アフリカという“巨人”を倒した4年前の一戦は、「史上空前のジャイアントキリング」として、いまもなお世界中で語り継がれているのだ。
ラグビーの世界ランキングは、例えばサッカーのFIFAランキングと比べて、はるかに正しくその実力差を反映する。最新のランキングで20位のロシアにとって、10位の日本は明らかな格上。しかも相手はホストカントリーである。仮にロシアが日本を打ち負かしたとすれば、それは大げさではなく、4年前に日本が起こした奇跡に匹敵した。
「格下だし、絶対に勝たなきゃいけないし、できれば(ボーナスポイント1が得られる4トライ以上を挙げて)5ポイントを取りたかった」 SOの田村優は、そんな想いを持ってロシア戦を迎えたが、自国開催のワールドカップ、しかも勝利が必須の開幕戦というプレッシャーは、田村のみならずジャパンの面々にとって、想像を絶するものだったようだ。目に見えるほどの緊張感をまとってキックオフの笛を聞いた桜の戦士たちは、明らかに浮足立っていた。
これが3度目のワールドカップとなる百戦錬磨のキャプテン、リーチ・マイケルが目測を誤り、キックオフのボールをキャッチできない。後方に逸らしたボールを、これがワールドカップ初出場で、試合前の国歌斉唱ではこみ上げる涙を抑えきれなかったNO8の姫野和樹がノックオン。いきなり自陣深くに押し込まれる。
「ファーストプレーでああいうミスをしてしまうと、流れを一気に持っていかれる。僕を含めてワールドカップを経験したことがない選手も多くいたので、最初は(開幕戦の)雰囲気にチーム全体が飲み込まれてしまった」
試合後、姫野は反省の言葉を口にしたが、ミスの連鎖は簡単には止まらなかった。インゴールからの田村のキックをチャージされ、冷や汗をかいた直後の5分だった。ロシアのFBヴァシリー・アルテミエフが高く蹴り上げたボールを、日本のFBウィリアム・トゥポウが落球。これを拾われ、WTBキリル・ゴロスニツキーに先制のトライを許すのだ。