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「覚悟をもって戦っている姿を見てほしい」石川祐希がリーグ開幕を直前に控え胸中を告白

THE DIGEST編集部

2020.09.26

「最高のコンディション」と開幕に向けて順調な調整を続けている石川。写真:株式会社グッドオンユー提供

 イタリアのバレーボールセリエA、パワーバレー・ミラノに今シーズン加入した石川祐希が、オンライン会見を実施。本戦出場を決めたコッパイタリアグループ予選や、リーグ開幕直前の今シーズンへ向けた思いを語った。

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 コッパイタリアグループ予選の第2戦では、アウェーへ帯同していなかったミラノのスタッフが、新型コロナウイルスに感染。現地入りしていたチームは、PCR検査に加え、宿泊施設の部屋で各自隔離となった。延期が発表された試合は、全員の陰性が確認されたことで翌日に行なわれた。事前練習ができないまま試合に臨んだと言う石川は、「コンディション調整が難しかった」とコメント。食事は部屋に届けられていたそうで、「僕は食事を大事にしているので、その面でも非常に難しかった」と吐露した。それでも、「(練習ができず、不利な状況下で)しっかり勝つことができたので、1つ自信になったと思う」と述べた。日本でガイドブックを作成するなど、新型コロナウイルス感染予防に尽力している石川は、「今後、同じ状況が起きる可能性があるが、この経験があったことで対応できると思う。(この出来事を)ポジティブに捉えたい」と語った。

 会見の前日には、ミラノがフルセットの末に惜しくも敗れたコッパ戦第3戦が行なわれた。ロベルト・ピアッツァ監督は、リーグ開幕戦を視野に石川ら主力陣を温存し、U18欧州選手権で優勝したイタリア代表のリベロ、17歳のマッテオ・スタフォリー二ら、若手選手を起用した。この試合後、石川は悔しがるスタフォリー二に、「負けてしまったが、いい活躍だった。切り替えて前に進もう」と声をかけたと言う。後輩たちへの気配りを忘れないところは、入団から間もないながら、その人柄とリーダーシップを感じさせる。
 
「これまでになく、最高のコンディション」と語る石川は、27日に開幕を迎える今シーズンのリーグ戦について、「自分とチームは、上位4強を倒してプレーオフでベスト4入りすることが目標。今チームは非常に良い状態で、(目標達成の)可能性はとても高い。チャンスは非常にあると思っている」と意気込みを語った。個人については、「渡伊前に話したように(自分にとっても)大事なシーズン。覚悟をもって戦っている姿を見てほしい。目に見える結果で証明したい」と力を込めて語った。

 石川のイタリア通算得点は、現在、大台が目前の990得点。開幕戦で1000得点の大記録達成となる可能性が高い。「うれしいことだが、正直(記録は)あまり気にしていない。リーグ初戦を勝って終わることが大切」と述べつつ、「(コッパ戦を戦って)勝ちゲームになれば、10得点以上は間違いなく取るので、1000得点(達成)の良いニュースを届けられるよう戦いたいと思っている」と、自信をのぞかせた。

 日本時間28日午前1時に行なわれるセリエA開幕戦。ミラノは、観客700人が見守るなかホームで、トップバレー・チステルナ(ラティーナ)と対戦する。石川は、「久しぶりの観客が入った試合なので、僕自身とても楽しみ。会場で実際に試合を観ていただけることは、僕たち(選手)にとっても幸せなこと。とにかく最高のパフォーマンスをして、観ている人に感動や勇気を与えられたらと思っている」と話してくれた。

 ここまで出場した2試合では、好調さが感じられるパフォーマンスはもちろん、楽しみながらプレーをする石川の姿が印象的だった。日本のエースにとって、大きな目標を掲げた今シーズンが特別なものとなるよう、期待を持って応援したい。

構成●THE DIGEST編集