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ラグビー

大西将太郎がアイルランド戦を斬る!「奇跡ではない実力の勝利!僅差の展開に持ち込んだ日本の作戦勝ちだ」

大西将太郎

2019.09.29

歴史的な勝利を喜ぶ日本の選手たち。次の試合は10月5日に行なわれるサモア戦だ。写真●茂木あきら(THE DIGEST写真部)

歴史的な勝利を喜ぶ日本の選手たち。次の試合は10月5日に行なわれるサモア戦だ。写真●茂木あきら(THE DIGEST写真部)

[ラグビーW杯]日本19-12アイルランド/9月28日/静岡・エコパスタジアム

 信じられないことが起こりましたね。前回大会の南アフリカ戦を越えるアップセット。世界ランキング2位のアイルランドに、日本が勝ったんです。もちろん、私は日本の勝利を信じていましたが、目の前で起こったことに衝撃を受けたし、感動しました。2017年のテストマッチでは連敗していましたから、この勝利は間違いなく日本の成長の証です。

 アイルランドは文字通りの強豪ですが、我慢強く戦って1トライ・1ゴール差くらいのスコアでもつれれば、日本にも勝機が見えてくると予想していました。

 実際にゲームが始まると、日本はまったくその通りの展開に持ち込み、前半を3点のビハインドで折り返しました。それによって、思うように点が取れないアイルランドに焦りが生まれ、逆に日本は自信を増していったように思います。後半は日本が10点を取ったのに対して、アイルランドは無得点ですからね。まさに狙い通りの逆転勝利です。

 試合の流れに関して言えば、序盤に先制トライを許したのが、逆に日本にとって良い方向に転んだと思います。あれで、アイルランドが「いつでもトライを取れるな」と思ってくれました。その結果、アイルランドに心理的な緩みが生まれたわけです。
 対して日本は、試合を通してしっかり集中力を保ち、上手くゲームをコントロールしていました。僅差でついていくのが大事な試合で、確実にペナルティーゴールの3点を重ねていったのも冷静な判断です。この試合はボーナスポイントを考えるのではなく、勝利が大事な試合でしたからね。ああいった展開になるのは予想通り。初戦に比べてハンドリングエラーもだいぶ減りましたし、FW陣のスクラムでの頑張りも目立っていました。

 すべての選手がハイパフォーマンスを見せていましたが、なかでも堀江翔太の働きは特筆ものでした。あらゆる面でチームに落ち着きを与えていたし、ラインアウトのスローイングも安定していました。スクラムやディフェンスでの貢献度も非常に高かった。彼がこの試合のプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれたのは妥当です。やっぱり堀江は凄いですよ。

 ビッグゲームでは、いわゆる”持ってる”選手が活躍するもの。そういう意味では、途中出場の福岡堅樹も”持って”いましたね。逆転トライであったり、試合終盤のインターセプトからの独走であったり、チームに新しいエネルギーを与え、勝利をもたらしました。

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