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格闘技・プロレス

ハナ差の激闘を制し、 ソダシが白毛馬として初のG1制覇。 桜花賞戦線は上位3頭を中心に展開へ

三好達彦

2020.12.14

2歳牝馬レースとはイメージを異にする、壮絶なまでの叩き合いとなった。写真:産経新聞社

2歳牝馬レースとはイメージを異にする、壮絶なまでの叩き合いとなった。写真:産経新聞社

 12月13日、2歳牝馬チャンピオンを決める阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、芝1600m)が阪神競馬場で行なわれ、単勝1番人気に推されたソダシ(栗東・須貝尚介厩舎)がサトノレイナス(美浦・国枝栄厩舎)をわずかに抑えて優勝。通算成績を4戦4勝(うち重賞3勝)にするとともに、史上初めてとなる白毛馬によるGⅠ制覇を成し遂げた。3着にはユーバーレーベン(美浦・手塚貴久厩舎)が入り、3戦無敗で臨んだメイケイエール(栗東・武英智厩舎)は4着に終わった。

 最後の直線、一般的な2歳牝馬どうしのレースとはイメージを異にする、壮絶なまでの叩き合いが繰り広げられた。

 後方から進んだメイケイエールが外から脚を伸ばして先頭をうかがうところ、馬群をさばいてソダシも差を詰める。さらにはサトノレイナスとユーバーレーベンが後方から急追。4頭による追い比べからサトノレイナスが抜け出すが、いったんは交わされたソダシが驚異的な粘りを見せて差し返そうとしたところで、2頭が鼻面を揃えてゴール。写真判定の結果、ソダシがハナ差でサトノレイナスを降していた。その差はわずか7㎝しかなかったという。
 
 激闘を制したソダシの吉田隼人騎手は、「ホッとしました。結果を出せてよかったです。1番人気だったので、自分のせいでこの馬を負けさせてはいけないというプレッシャーがありました。内外の有力馬も見えていたので、最後は”なんとか凌いでくれ”という気持ちで。馬に助けられました」と、興奮冷めやらずの表情でレースを振り返った。

 シラユキヒメに端を発する”白毛一族”がこれまでもアイドル的な人気を博してきたことに加え、3戦負け知らずという成績から、ソダシが1番人気に推されるだろうことは想像がついていた。ただ筆者は、いくつかの理由で彼女の高い評価に少し懐疑的だった。

 この一族の活躍の場はダートが中心で、パワー型の馬が多かったこと。無敗ではあるが、走破タイムは3戦ともごく平凡なものだったこと。末脚の瞬発力にあまり鋭さを感じなかったこと。それらが要因となって、評価を控えめにしたのである。
 

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