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F1への階段を一気に駆け上がった“超新星”角田裕毅の歩みを改めて紹介!2021年は期待と自信に満ちたデビューイヤーに

THE DIGEST編集部

2020.12.31

20歳の角田は来季、アルファタウリからF1デビューする。(C)Getty Images

 小林可夢偉が3位表彰台で鈴鹿の大観客を歓喜させた2012年以降、日本のF1は盛り上がりのゲージが大きく上がることはなかったが、今季終了後、待望のニュースがファンの心を高揚させた。日本人として10人目のフルタイムドライバーが誕生したのである。

 角田裕毅、20歳。来季、アルファタウリからF1デビューする期待の新星だ。

 2005年5月11日に神奈川県相模原市で生を受けた彼の、ここまでの人生の大部分は、レースによって形作られてきた。わずか4歳でカートに乗り、7、8歳の時に富士スピードウェイで生のF1に感銘を受け、16歳で鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラに入校、フォーミュラカーレースに参戦、以降カテゴリーを上げながら現在に至る。

 そして、そのキャリアは輝きと栄光に包まれている。2006年、5歳で中井インターサーキット・キッズクラスのシリーズチャンピオンという初タイトルを手にすると、毎年のように様々な大会を制し続け、2016年のフォーミュラーレース初年には、いきなりスーパーFJで優勝を飾り、F4でも最年少優勝記録などを打ち立てて日本の頂点に立った。
 
 海外挑戦を開始した2019年、日本人2人目のレッドブル・ジュニアチーム所属ドライバーとなってからはさらに勢いが加速し、F3でやはり1年目にして勝利を飾ると、翌年(つまり今季)にはF2にステップアップし、3勝を挙げて年間ランキング3位につけるとともに、「ピレリ・トロフィー」「アントワーヌ・ユベール・アワード」(新人賞)といった個人賞も獲得した。

 早くから、未来のF1ドライバーとして期待をかけられていたが、今年11月のトスカーナ・グランプリ後にイモラ・サーキットで行なわれたテストで、「2018年型のマシンでセッションを重ねるごとに進歩を見せ、エンジニアに良いフィードバックを返していた」とアルファタウリのフランツ・ドスト代表が振り返るように、ドライビング能力と開発能力の高さを示した日本人は、ついに頂点の舞台へ招かれる。