格闘技・プロレス

“究極の駆け引き”で志朗を圧倒した那須川天心。武尊との“世紀の対戦“は「頭を休めつつ…」

THE DIGEST編集部

2021.03.01

入場から雰囲気を漂わせていた那須川。試合後には注目を集める今後についてコメントした。 写真:滝川敏之

 日本格闘界の神童が違いを見せつけた。

 2月28日、神奈川の横浜アリーナで、キックボクシング団体「RISE」の年間最大ビッグマッチ『RISE ELDORADO 2021』が開催され、メインマッチで、昨年の挑戦者決定トーナメントで優勝した志朗と対戦した那須川天心は、判定の末に3-0で勝利した。

 判定決着であったものの、そのスコアが示すように圧巻のパフォーマンスだった。

 序盤から鋭く、力強いミドルキックを軸に落ち着いた試合運びを見せた那須川は、試合後に「もう負けを認めるしかない」と漏らした志朗を、スピードと卓越したテクニックで凌駕。クリーンヒットこそ打ち込めなかったが、ポテンシャルの大きさを感じさせる戦いぶりを披露した。

 19年9月以来のリベンジマッチに臨んだライバルを返り討ちにし、見事にプロデビューから44連勝を飾った那須川。気になるのは、次にどこへと向かうのか、だ。

【厳選PHOTO】志朗を退けて44連勝を飾った那須川天心の決定的瞬間を一挙公開!
 新たなチャレンジへの周囲の喧騒は増すばかりだ。ボクシングへの参戦や、昨年大晦日のRIZINで会話を交わしたことで話題を呼んだK-1の"エース"武尊との「世紀の一戦」など、巷で囁かれている噂は枚挙に暇がない。

 本人は何を想っているのか。試合直後にリング上で「僕がキックでいる時間は少ないんですよね。だから、キックを去るまで無敗でいたい」と語った22歳のヤングスターは会見において、「駆け引きで勝てて、相手の動きを止めることができた」と志朗戦のパフォーマンスを振り返ってから次のように続けた。

「とりあえず今回の試合にめちゃくちゃ賭けていたので、頭を休めつつですね。まぁそこはおいおい」

 時の人となっている今、他ジャンルの人たちと触れ合うなかで、「だいぶ刺激を受けていますね。そこが僕の人生の一番の楽しみだと思います」と笑顔を浮かべた那須川。彼が明確な答えを出す日は、もうしばらく先になりそうだ。

構成●THE DIGEST編集部