モータースポーツ

「DRS“疑惑”」があったとしても角田裕毅への高評価に変わりはなし!「容易にマシンを扱いスムーズに走らせた」

THE DIGEST編集部

2021.03.17

プレシーズンテストで全体2位のタイムを叩き出した角田。それがDRSを使用したものだったとしても、世界を驚かせるには十分なものだ。(C)Getty Images

 3月12日から3日間にわたってバーレーン・インターナショナル・サーキットで実施されたF1のプレシーズンテスト。この最終日、今季アルファタウリからデビューする角田裕毅が全体の2位となるタイムを記録し、世界を驚かせた。

 1位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)からわずか0.093秒差につけたルーキーはしかし、後にメインストレート上で通常のレース時に指定されているゾーンよりもかなり手前でDRSを使用していたことが明らかになった。

 もちろん、今回のテストにおいてDRSゾーンは指定されていないため、これは何の違反でもないが、各国の多くのメディアは「ランキング2位にはカラクリがあった」「トリック」といった表現でこれを報じ、ポーランドの専門メディア『WRC』は「角田は規則の抜け穴を"悪用"。アルファタウリはさほど速くないのか?」と題した記事を公開した。
 
 刺激的なタイトルの記事中では、このデバイスによってどれだけのアドバンテージが得られたかを検証。最高速度では2位シャルル・ルクレール(フェラーリ)を3km/h上回る322km/hを記録し、メインストレートでは「わずか0.2秒」(同メディア)を削るのに役立ったとしている。なお、タイム結果3位のカルロス・サインツ(フェラーリ)とのタイム差は0.558秒だった。

 スペインの専門メディア『CAR AND DRIVER』もDRS使用を「トリック」と表現したものの、「ホンダのパワーユニットが大きな進歩を見せたことは見逃してはならない。パフォーマンスと信頼性の面で良い印象を与えた」と綴っている。

 マクラーレンのランド・ノリスは、早い段階でDRSの使用を知っていたようで、角田のSNSに「DRSはどうだった?」と投稿する茶目っ気を見せたものの、20歳のルーキーを「良いドライバーだ。この結果に驚きはない」とその力を認め、アルファタウリのマシンについても「力強く見える。とても運転しやすそうだ」とポジティブな印象を語った(『F1i.com』より)。

 英国のメディア『motorsport TICKET』は、プレシーズンテストを踏まえ、「5つの重要なポイント」を選定。他の4つはレッドブル、メルセデス、アストンマーティン、フェラーリと、チームに関する記述であるのに対し、1項目だけ「角田は注目すべきドライバーのひとり」と個人に焦点を当てている。
 
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