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角田裕毅、“皇帝ジュニア“ミック、“悪童“マゼピンーーF1ルーキー3人のデビュー戦の評価は?

甘利隆

2021.03.30

デビュー戦でのポイント獲得は日本人初。角田は今後に期待を抱かせる走りを見せた。(C)Getty Images

 昨年、F2でしのぎを削った3人のドライバーがデビューした2021年のF1。開幕戦のバーレーンGPが終わったばかりだが、個性豊かな若武者たちの初陣での戦いぶりを早速振り返ってみたい。

[50%の満足度もまずまずの結果を残した角田裕毅]
 F2でのランキングは3位だが、潜在能力、チームの競争力から最も活躍が予想される角田裕毅(アルファタウリ)は、予選Q1で共にホンダのパワーユニットを積むマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次ぐ2番手タイムを記録。Q3に進出したドライバーはQ2でベストタイムを出したタイヤでスタートするというレギュレーションのため、戦略的な理由でミディアムタイヤを選んだQ2ではタイヤがうまく機能せず、Q3に進出できる10位以内に及ばない13番手に終わったが、プレシーズンテストでも注目された速さは見せつけた。

 スタートで順位を落とした決勝でも持ち前のレースを組み立てる能力を発揮。後半にはセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、キミ・ライコネン(アルファロメオ)らチャンピオン経験者を続々パスし、入賞圏内の10位に浮上すると、最終ラップでランス・ストロール(アストンマーティン)をオーバーテイク。9位でフィニッシュし、日本人ドライバー初のデビュー戦での入賞を果たし、貴重な2ポイントを手にした。
 
 父の影響もあり、幼い頃から憧れていたアロンソとのバトルは「タイヤの使い方、コーナーでの走り方を近くで学びました。抜いた後は、ドライビングを真似しようとしました。学んだことは、将来に向けて大きな意味を持つと思う」と専門メディア『Sky Sports』で語ったように強く印象に残ったようだが、「1周目にかなりポジションを失ってしまったので、満足度は50%ですね」と自分の走りには納得していない。

 しかし、角田より上位なのはメルセデス、レッドブル、マクラーレン、フェラーリといずれも競争力が上と見られるチームのドライバーであることから、まずまずのデビュー戦だったと評価できるだろう。
 
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