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【桜花賞】ソダシの牙城を崩すのは…対抗筆頭はサトノレイナス、才気溢れるソングラインも可能性が

三好達彦

2021.04.10

無敗での桜花賞馬を目指すソダシの前には、強力なライバルたちが揃っている。写真:産経新聞社

無敗での桜花賞馬を目指すソダシの前には、強力なライバルたちが揃っている。写真:産経新聞社

 桜花賞(GⅠ、阪神・芝1600m)、有力馬の戦力分析。プレビューの前編では1番人気がほぼ確実なソダシ(牝3歳/栗東・須貝尚介厩舎)について「付け入る隙はある」としたが、本稿では対抗の評価に足る駿馬を見ていく。

 対抗馬として最初に挙げられるのは、やはり阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ、阪神・芝1600m)でソダシとハナ差の激闘を演じたサトノレイナス(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)だろう。

 彼女のストロングポイントは何といっても末脚の切れ味で、新馬戦、サフラン賞(1勝)と2戦続けて最速の上がり時計を記録して差し切り勝ち。阪神ジュベナイルフィリーズでも出走馬中2番目に速い33秒9の末脚を繰り出してソダシを苦しめた。しかもこのとき、直線で前が詰まって追いづらくなるシーンがあってのハナ差2着で、スムースに追い出せていれば、結果は違ったものになっていたかもしれない。

 桜花賞はソダシへのリベンジを期しての再戦となるが、この2頭に共通する不安要素もある。それは阪神ジュベナイルフィリーズ以来、約4か月ぶりの実戦になるという点だ。

 桜花賞の勝ち馬で、前走からの間隔が最長だったのは、19年にグランアレグリアが記録した111日。ソダシかサトノレイナスが勝てばその記録を塗り替えることになる。両馬のトレーナーは調整の順調さをアピールしているが、果たしてこの”ぶっつけ”出走が吉と出るか凶と出るか。
 
 一方、多くの関係者がその能力を高く評価するメイケイエール(牝3歳/栗東・武英智厩舎)は、レースで見せる激しい気性が課題となっている。闘争心の強さはトップホースに必要な要件ではあるが、武豊騎手でもなだめきれないほどの激しさは危うさも感じさせる。

 しかし、それでも阪神ジュベナイルフィリーズ(4着)以外はすべて勝利しており、前半に引っかかったチューリップ賞(GⅡ、阪神・芝1600m)もエリザベスタワー(牝3歳/栗東・高野友和厩舎)と同着優勝に持ち込んでいるのだから軽視はできない。

 武豊騎手の負傷によって、今回は横山典弘騎手に手綱が託される。大ベテランのエスコートでお転婆娘がどんなレースを披露するのかという点は、今年の桜花賞の見どころでもある。
 
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