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【皐月賞】人気2頭の牙城を脅かす伏兵は?馬場状態から見た単穴候補、特注の大穴を一挙紹介!

三好達彦

2021.04.17

雨で重馬場となった先月のスプリングSで重賞初制覇を果たしているヴィクティファルス。写真:産経新聞社

雨で重馬場となった先月のスプリングSで重賞初制覇を果たしているヴィクティファルス。写真:産経新聞社

 前編に引き続いてお届けするのは、皐月賞(G1、中山・芝2000m)に出走する有力馬の戦力分析だ。今回は、人気上位2頭の牙城を脅かす伏兵について見ていく。

 単穴候補は道悪巧者のヴィクティファルス、ステラヴェローチェ、ヨーホーレイクの3頭だろう。とくにヴィクティファルス(牡3歳/栗東・池添学厩舎)は週末の天候悪化の予報を受けて、注目を集めるようになっている。 

 昨年11月末の新馬戦(阪神・芝1800m)を快勝したあと2か月ほどの休養を経て共同通信杯(G3、東京・芝1800m)に出走すると、勝ったエフフォーリアには突き放されたものの、2着に健闘。続くスプリングステークス(G2、中山・芝1800m)でも「重」発表のタフな馬場コンディションをものともせず、大外一気の追い込みを決めて重賞初制覇を達成。この重馬場での目の覚めるような走りが評価の急上昇につながった。 

 手綱を取る池添謙一騎手は池添学調教師の実兄。兄弟コンビでのG1初制覇という夢を叶えられるかにも注目が集まる。 

 ソダシで桜花賞を制したジョッキー(吉田隼人騎手)とトレーナーのコンビで臨むステラヴェローチェ(牡3歳/栗東・須貝尚介厩舎)は名うての道悪巧者だ。不良馬場で行なわれた昨年10月のサウジアラビアロイヤルカップ(G3、東京・芝1600m)では、最後方から豪脚を繰り出して突き抜けると、2着を3馬身も千切って捨てた。 
 
 その後、朝日杯フューチュリティステークス(G1、阪神・芝1600m)は2着としたが、今年初戦の共同通信杯で差のある5着に敗れて評価を下げた。しかし、このレースはスローペースによる前残りの競馬だった点が敗因とも考えられ、自身も上がり3ハロン33秒6という確かな末脚を使っている。本番前のひと叩き、と割り切ってみることも可能だろう。 

 バゴの産駒には、“道悪の鬼”とも言えるクロノジェネシスがおり、本馬もその血を受け継いでいるのは確実。馬場が予想より悪化すれば、人気上位の一角を崩しても驚けない。17日の昼時点で8番人気(オッズは約15倍)という人気薄だけに、馬券的な妙味も十分にある。 

 ホープフルステークス(G1、中山・芝2000m)3着、きさらぎ賞(G3、中京・芝2000m)2着のヨーホーレイク(牡3歳/栗東・友道康夫厩舎)は、ディープインパクト産駒には珍しく道悪も上手にこなす。稍重の新馬戦(阪神・芝1800m)、重馬場の紫菊賞(1勝クラス、京都・芝2000m)を勝っているのも強みで、前記の2重賞を含めて全4レースで最速の上がり時計を叩き出しているように、末脚も確かだ。

 陣営は日本ダービーを春の最大目標としているが、予想以上の成長の早さに目を細めているという。極端な馬場悪化は割引材料となるが、こちらは土曜の昼現在で12番人気と支持率が極めて低く、馬券圏内に突っ込めば高配当が見込める。
 
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