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角田裕毅、人生初コースでのFPは13位&14位に。伊メディアは「エキサイティングな時は過ごせなかった」とシビアな評価

THE DIGEST編集部

2021.05.01

第2戦ではスピンを繰り返して辛酸を舐めた角田。「この教訓を活かす」と並々ならぬ闘志を燃やす男は3戦目に向けたFPでは手応えを得たようだ。(C)Getty Images

 F1第3戦のポルトガル・グランプリが開幕。4月30日には、午前午後で2度のフリー走行(FP)が行なわれた。

 F1デビュー戦となった開幕戦バーレーンGPで9位入賞を果たし、いきなりのポイント獲得で一躍主役に躍り出たスクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は、期待と自信を持って臨んだ第2戦エミリア・ロマーニャGPでは予選、決勝ともにスピン。悔いの残る12位フィニッシュに終わり、「この教訓を活かす」という意気込みを持って、イベリア半島に乗り込んだ。

 会場であるアウトドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルベでの走行経験がない角田。FPで周回を重ねながら、かなり癖のあるコースとして知られる同サーキットの特徴を掴み、それを素に最適な戦力を練るという、新たなアプローチの仕方でレースに臨むと明かしていた20歳は、FP1では28周を走って1分21秒090の13位、FP2では33周で1分21秒053の14位という記録を残した。

 1日目を終えた彼は、チームの公式サイトを通して声明を出し、シミュレーターでしか走ったことのない初めてのサーキットについて、「今日初めて走りましたが、とてもエンジョイできました。特にアップダウンのエリアは楽しかったです」との感想を語っている。

「2度のセッションで多くのことを学びました。このコースを理解するための多くのエレメンがありました」と強調した彼は、また「バーレーンやイモラと比べてグリップレベルが低く、最初は適応するのに苦労しましたが、それでも早く覚えることができたし、今日1日での成長ぶりは順調なものだったと思います」とポジティブに振り返った。
 
 2日目の予選に向けて、チームとデータを分析して最適のセットアップを見つけ、ペースを上げていくことを誓った角田について、アルファタウリのチーフ・レースエンジニアであるジョナサン・エッドルスは「初めてのサーキットで、午前中のセッションではコースを学び、車とパフォーマンスにもある程度満足できた」と語っている。

 なお、チームメイトのピエール・ガスリーは、FP1で6位につけるも、FP2では11位。エッドルスは「ミディアムタイヤでのペースには非常に満足したが、ソフトでは思ったほど伸びなかったのは問題だった」と振り返っているが、10チーム中最多の周回(67周)をこなしたFP2でのデータが、今後のセッションにどう活かされるかが興味深いところだ。

 現地メディアの記事では、イタリアの専門メディア『MOTORIONLINE』が角田のセッションを振り返り、「初めてのサーキットでの初走行という特別な1日だったが、FP1で13位、FP2では14位に落ちるなど、エキサイティングな時を過ごすことはできなかった。ルーキーにとっては、予選に向けて改善するために学びの1日となった」と報じている。

構成●THE DIGEST編集部

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