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「好きなコースでよく知っている」角田裕毅がスペインGPに自信。「新人らしさを露呈した」前戦の雪辱なるか!?

THE DIGEST編集部

2021.05.06

ポルトガルGPでは大苦戦を強いられた角田だが、来るスペインGPではやる気を漲らせている。(C)Getty Images

 F1世界選手権は2週連続開催となり、先週のポルトガル・グランプリに続き、今週末は同じイベリア半島を移動して、スペイン・バルセロナのカタロニア・サーキットでスペインGPが行なわれる。

 注目を集めたアルファタウリはポルトガルGPで大苦戦。終始グリップ不足に苦しむ中で、ピエール・ガスリーは何とか10位に入って1ポイントを獲得したが、予選14番手の角田裕毅は見せ場を作れないまま、順位をひとつ落としての15位フィニッシュを余儀なくされた。

 レース後は、車の挙動に苦しんだと語った角田は、ガスリーと比べても車が曲がりにくかった点を明かし、「フロントを使うコースでネガティブな方向に作用した」と苦戦の原因を分析。さらに「スペインGPもフロントを使う」と次戦に向けての不安点を挙げた。

 しかし、チームの公式サイトを通して発表したプレビューコメントで20歳のルーキーは、ポジティブな展望を示した。

「ポルトガルの次は、スペインです。昨季はバルセロナでのF2の2レース(フィーチャーレースとスプリントレース)で、どちらも4位に入りました。このコースでは、予選においても、タイヤマネジメントは最も重要な要素のひとつです。なぜなら、セクター3までタイヤをもたせて良いラップタイムを出すために、セクター1でタイヤをダメにしたくないからです」

 さらに「僕はこのコースが好きなので、F1で初めて走るのを楽しみにしています」と語った角田は、「コースのこともよく知っているので、フリー走行1回目(FP1)からすぐ、速く走る自信があります」と強調した。

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 ポルティマオでは聞けなかった自信溢れるコメントは頼もしい限りだが、実際にスペインGPでのアルファタウリのパフォーマンスは改善するという予想は少なくない。前線ではコンディションの問題でタイヤに熱が入りにくかったが、スペインでは路面温度が高くなると見られているからだ。

 昨季まではプレシーズンテストの会場であり、レース前に多くのデータが得られたカタロニア・サーキットのレースは、昨季は8月にレースが開催されていたが、今季はそれ以前の5月に戻された。専門メディア『F1 CHRONICLE』によれば、昨季よりは当然涼しい気象条件となるものの、それでもレースは高い路面温度の影響を受け、今回も最も硬いタイヤコンパウンドが最適だという。

 昨季はルイス・ハミルトン(メルセデス)が2ストップでこれを完遂して圧勝した他、3ストップを選んだヴァルテリ・ボッタス(メルセデス)が3位表彰台、そしてレーシングポイントのセルジオ・ペレスは1ストップで5位につけるなど、角田が語った通り、タイヤマネジメントや戦略が重要になることが証明されたGPとなった。ちなみにガスリーは、10番手スタートで9位入賞を果たしている。

 レッドブルのヘルムート・マルコ顧問らからタイヤマネジメントの力を評価されている角田にとっては、その力を発揮しやすい舞台となるかもしれない。イモラ、ポルティマオのレースでは、「新人らしさを露呈した」と評された彼が、再び「新人らしからぬ」ドライビングとレース運びを見せてくれるかどうかに注目したい。

構成●THE DIGEST編集部
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