バレーボール

龍神NIPPONに暗雲!? 若手エースの西田有志が紅白戦で右足関節ねん挫のアクシデント!自力で歩行できず病院へ…

北野正樹

2021.05.08

痛みに顔を歪める西田の様子。この後、再び倒れ込んだ。写真:北野正樹

「龍神NIPPON」ことバレーボール日本代表男子は、5月8日に群馬県の高崎アリーナで、有料の紅白戦を開催した。

 しかし、試合開始早々に西田有志(ジェイテクト)がアクシデントに見舞われた。プレー中に他の選手と接触し、右足の関節を痛めて退場を余儀なくされたのだ。東京五輪まで90日を切った段階でのエースの怪我は言うまでもなく痛手だ。

 現地時間5月28日からイタリアで開かれる「FIVBネーションズリーグ」を前にしたファンへのお披露目の場だったが、状態次第ではチーム編成の変更も余儀なくされそうだ。

 アクシデントは、第1セットが始まって約15分後に起きた。白組の3選手が赤組選手のアタックをブロックしようと跳んだプレーの直後、西田が倒れ込んだ。激しいプレーの応酬でもなかったため、2070人の観客は一瞬、何が起きたのかわからなかったほどだった。

 一度は立ち上がった西田だったが、苦悶の表情を浮かべると、ポールに右手を添えて身体を支えようとしたが、再び倒れこんでしまった。歩行もままならない状態となった21歳は、スタッフに担がれコートの外へ運び出された。

 試合後、緊急の記者会見に応じた中垣内祐一監督は「病院に運ばれ精密検査を受けている状況で、診断結果も聞いていない」と詳しい状況は語らなかったが、怪我の発端となったプレーについては「ブロックに跳んで降りた時に、隣の選手の脚を踏んだようだ。ビデオで確認したが、それほどひどい接触ではなかった」と説明。さらに本人の話として「2018年の世界選手権の時よりは強いねん挫」とした。西田は18年の世界選手権で、開幕数日前に今回と同じように、ブロックに跳んで着地した際、隣の選手と接触し左ひざを負傷し、開幕2戦目からの出場となっていた。
 
 さらに指揮官は明日の紅白戦出場については、「様子を見ないとわからないが、私自身は(出場は)厳しいと思っている」と吐露。また、ネーションズリーグへの影響については「我々にとっても非常に大事な選手。骨に問題がなければ連れていく」と語ったうえで、「もし状態が悪ければメンバーの構成も変わるか」という質問には、「その想定はしていない。連れていくつもりなので、現時点では答えられない」と明言は避けた。

 なお、試合は、西田に代わって白組から加わった大竹壱青(パナソニック)や、中国戦でも攻撃力を見せつけた高橋藍(日体大2年)らの活躍で、紅組が3-0(25-19、25-21、25-21)で白組にストレート勝ちを収めた。

 試合は9日も午後2時から高崎アリーナで行なわれ、その後、イタリアで約1か月間、FIVBネーションズリーグを戦った後、五輪代表の12選手が選ばれる。

文●北野正樹(フリーライター)
【プロフィール】きたの・まさき/1955年生まれ。2020年11月まで一般紙でプロ野球や高校野球、バレーボールなどを担当。南海が球団譲渡を決断する「譲渡3条件」や柳田将洋のサントリー復帰などを先行報道した。関西運動記者クラブ会友。

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