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【オークスを掘り下げる】ソダシの“白毛神話”潰える…ゴールドシップの血を感じさせたユーバーレーベンが“狙いすまし”の勝利!

三好達彦

2021.05.24

後方からレースを展開したユーバーレーベンが、1馬身差をつけて1着フィニッシュ。写真:産経新聞社

後方からレースを展開したユーバーレーベンが、1馬身差をつけて1着フィニッシュ。写真:産経新聞社

 5月23日、第82回オークス(G1、芝2400m)が東京競馬場にて行なわれ、単勝3番人気のユーバーレーベン(牝3歳/美浦・手塚貴久厩舎)が2番人気に推されたアカイトリノムスメ(牝3歳/美浦・国枝栄厩舎)を抑えて優勝。3着には16番人気のハギノピリナ(牝3歳/栗東・高野友和厩舎)が入り、3連単は53万2180円という波乱になった。白毛という話題性もあって1番人気となったソダシ(牝3歳/栗東・須貝尚介厩舎)は直線で伸びを欠き、8着に敗れた。

 無敗で桜花賞(G1)を制したソダシの“白毛神話”はあっけなく潰えた。

 逃げ馬不在と言われた中、しばらくはクールキャット(牝3歳/美浦・奥村武厩舎)、ステラリア(牝3歳/栗東・斉藤崇史厩舎)、ソダシが相手の様子をうかがいながら雁行したが、クールキャットが押し出されるように先頭に立ち、ソダシは3~4番手付近を追走。アカイトリノムスメはそれを直後でマークし、ユーバーレーベンは後方をゆったりと進んだ。1000mの通過が59秒9と緩みなく流れ、クールキャットが先頭のまま馬群は直線へと向いた。

 先行勢が次々と失速するなか、ソダシが先頭をうかがおうとするが、いつもの伸びが見られない。そこへ、馬群で苦しみながらようやく進路を見つけたアカイトリノムスメが差してくるが、さらにその外から猛然と襲い掛かったのがユーバーレーベン。豪快な末脚で先頭に躍り出ると、アカイトリノムスメを1馬身抑えて栄光のゴールを駆け抜けた。
 
 ユーバーレーベンは札幌2歳ステークス(G3)でソダシとクビ差の2着に入り、阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)でもソダシとは0秒1差の3着に食い込んでいた。

 今年はフラワーカップ(G3)から始動したがこれを3着に敗れると、減り続けている馬体重を考慮して桜花賞を回避。オークスに狙いを定め、フローラステークス(G2)をひと叩きして(3着)本番へ向かった。まさに狙いすましての勝利である。

「3~4コーナーから上がっていった時もすごく手応えがラクでした。前走も(負けはしたものの)直線はじりじりと伸びていたので、距離は大丈夫、問題ないと信じていました」と、久々のG1制覇を成し遂げたミルコ・デムーロ騎手。このバテずに長くいい脚を使えるところに、父ゴールドシップの血が表れていると感じる。
 
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